オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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【ライトノベル】「キャラクターの情報」の重要性と、説明に必要不可欠なもの

 自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。何かに対するイメージというのは、なかなか効果が大きいものだ。例えば、色は、日常生活の様々なところでイメージによってきめられている。信号の色や止まれの標識は、危険を思わせる赤色。胃腸薬のパッケージは、五行の考え方から黄色になっていることが多いそうだ。

 この考えは、キャラクターの個性にも影響している気がする。髪形や髪色が決まるだけで、なんとなくそのキャラクターの性格を想像することができる。声も、ある程度創造することができるだろう。もちろん、創造の通りにキャラクターを作る必要は全くないが、イメージの定着というのは、作品の面白さや作品全体の雰囲気に、大きくかかわっているのだと思う。

 

 

 今回は、ライトノベル(書籍の形によって呼び方は変わるらしいが、面倒くさいのでジャンルとして呼び方をこれに統一する)やそれに類するネット小説における「キャラクターの情報」について考えていく。

 

ライトノベルの「キャラクター」の重要性

 小説というのは、推理小説やファンタジー、SFなど様々なジャンルがある。その中で、ライトノベルに分類されるものは、「キャラクターの情報」がかなり重要なジャンルといえるだろう。

 そもそもここでいう「キャラクターの情報」というのは、容姿や性格、好き嫌い、雰囲気、話し方などの、キャラクターを構成するすべての要素だ。

 ライトノベルは、基本的にキャラクターのカッコよさ、可愛さを売りにした上で物語を進めるものである。「キャラクターの情報」を読者に伝えることは、作品を構成するうえで最重要だと言ってよいだろう。

 ぶっちゃけて言ってしまえば、どんなに話が良くても、キャラクターが魅力的ではないライトノベルなど、読む気が起きないのである。

 

〇ネット小説ではどのくらい重要か。

 ライトノベルは、表紙にキャラクターが書かれた小説を指すから、キャラクターの重要性が極めて大きい。では、自分で書かない限り基本的に絵がないネット小説の場合はどうなのかという話が、今回の大きなポイントだ。

 結論から言ってしまうと、「絵がないんだから、より正確に説明しなきゃダメに決まってるだろうが!」である。

 表示する形態は違っても、ネット小説は、物語のジャンルとしてはライトノベルと変わらないのだ。であれば、読者が求めているのは、「(自分の好みの)カッコいい、可愛いキャラがどのような物語を紡いでいくか」ということだ。

 先ほども言ったとおり、ネット小説には基本的に絵がない。それを前提にする場合、キャラクターの情報というのは、そのほとんどが読者の脳内で、つまり想像で構成されるのだ。いかに作者が素晴らしいキャラクターを考えて、そのアイデアをもとに作品を書いたとしても、読者が想像できなければ宝の持ち腐れなのである。

 だから、ネット小説は、「読者が把握しきれて、読者が読むのを面倒にならない範囲で、できるだけ想像しやすいように詳細に」キャラクターの情報を伝える必要があるのである。

 

〇既出作品に学ぶ「キャラクターの情報」の書き方

 私が買ったライトノベルからいくつかと、有名なネット小説からいくつかを適当に選出し、「キャラクターの情報」がどれだけ書かれているかを見てみた。

参考にした作品一覧

書籍

機巧少女は傷つかない』『星刻の竜騎士』『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』『ようこそ実力至上主義の教室へ』『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』『さくら荘のペットな彼女』『甘城ブリリアントパーク』『弱キャラ友崎くん』『ライアー・ライアー』『オーバーロード』『ノーゲーム・ノーライフ』『千歳くんはラムネ瓶のなか』

ネット小説

異世界魔法は遅れてる!』『ありふれた職業で世界最強』『聖樹の国の禁呪使い』『転生したらスライムだった件』『蜘蛛ですが、何か』
 ネット小説のほうが数が少なくてバランスが悪いが、書籍化している作品をいくつか見てみたからこうなった。許してほしい。

 この作品たちの主に最初のほう、つまり主人公やメインヒロインとなるキャラクターの情報を説明している文を見てみて、わかったことを書いていく。

・主人公(人間の男性)には、あまり細かく触れられていないことが多い。身長や顔の特徴(髪を含む)の特徴が2,3程度。

・ヒロイン(人間の女性)は、かなり細かく説明されていることがほとんど。身長、体型、髪の色や髪形、目の色と形、その他特徴を1,2個。雰囲気など。

・人ではない場合は、造形が細かいものは説明されるものの、一言でイメージがついてしまうものについては、色や形に触れられないことが多い。

 ざっくりと、このようなことだ。

 作品の要となる女性キャラクターは、情報が多く書かれていることがわかる。想定している読者は男性であるから、当然のことだろう。逆に、女性をターゲットとしている作品なら、男性キャラクターの説明が、詳細にされているだろうことは、容易に想像できる。

 逆に、主人公はあまり詳細に説明されていない。これは、主人公に感情移入しやすいように、わざと細かく設定していないのだと思われる。主人公が常人離れしていて、その凄さを表現したい作品は、感情移入よりもキャラクターの表現に重点を置いている場合が多い。

 特に私が目を付けたのは、「キャラクターが持つ雰囲気」を書いていることだ。表現の方法は様々で、感じたままをそのまま書く作品もあれば、目の形で表している作品もあった。雰囲気は、性格や、周りの人との接し方に大きく影響するため、容姿と合わせて説明する必要がある重要な要素だといえそうである。

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〇キャラクターの情報が多いからこそ、物語を心から楽しめる

 小説に限らず、物語を書く上で、キャラクターは非常に重要な役割を持っている。「このキャラだからこそ、こんなことが言えるのではないか、行動ができるのではないか」と読者に思わせることができれば、その作品は、他の作品とは違う唯一無二のものであるといえるのではないだろうか。

 唯一無二の作品を作るためには、読者の心を惹きつけるような魅力的なキャラクターが必要だ。だから、作者自身が、一番魅力的だと心から思えるキャラクターを、読者が想像できるように、文章で説明することが大切なのである。

 

 

 いかがだっただろうか。私の考えをただ書くのではなく、色々な作品を読んで考えたことを書いていくのも面白いのではないかと思った。売れている(読まれている)作品は、必ず何か魅力があって、他の作品にも流用できるポイントがあるはずだ。これを見つけていくのも、良い物語を作るのには大切なことだと、私は考える。