オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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【ネット小説家様へ】新作書くとき参考にすべきはネット小説じゃない!!

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。久しぶりにちゃんとネット小説についての記事を書こうと思う。コロナについてはもううんざりだろう。

 今回は、主に「新作を書こうと思っているネット小説家様」に向けたものにした。現在書いている人にも参考になると思うので、最後まで読んでみてほしい。

 

 皆さんは新作を書こうと思ったとき、どういうことを考えて書き始めるのだろうか。私だったら、「この作品のような小説を書きたい!」ということが一番大きい理由だと思う。感化された小説(1つとは限らない)をもとに、自分なりに工夫したキャラクターやストーリーを入れ込み、世界観を新たに作り出したうえで、「自分の意志で、自分の文字で書く」というのが新作を書くことなんだと思っている。参考にするものがあるということは多かれ少なかれその小説に似ている部分がでてくることになるから、そこをいかに自分の知識と経験で違うものにできるのかが「小説を自作すること」のカギになるのだろう。つまり何が言いたいかというと、ネット小説の作品が似たり寄ったりになる原因は、「新たなネット小説家のほとんどがネット小説を参考にしているから」だということだ。

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 「なろうテンプレ」という言葉があるように、ネット小説には「ネット小説とはなんたるか」を書き記したような元となる作品がいくつか存在する。それはネット小説でずっと上位に君臨し続けている作品や、アニメ化されたことで大人気になった(つまりはまだネット小説のアニメにも気合が入っていた時代の)作品などだ。これらはそれ以降に制作された作品に多大な影響を与え、それにあこがれたであろう作品は世にあふれかえっている。だからネット小説とはこういうものだという共通認識が出来上がっていった。ここで私は一つ疑問に思った。

 

「別にネット小説を参考にしなくてもよくね?」

 

みんなネット小説を参考に、それを模倣した作品を作っているのだ。なぜそうするんだろう。

 「ネット小説っぽい物じゃないと人気が出ないから?」

そうだろうか。テンプレをなぞった作品があふれかえっている今、同じような作品を書いて「私はあなたの作品ががいい!」という人に出会えるまでどれだけの時間がかかるのだろうか。常に周りの大量の小説と比較され、それらとの差別化を図るだけの作業になってしまうのではないか。人気を集めたいなら、それこそ周りとは全く別のことをするべきなのだ。異世界ものじゃない、学園ものでいいじゃないか。「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」の様な独特の価値観を持ったキャラクターを書いてもいいし、「生徒会の一存シリーズ」の様にほとんどギャグに振り切った一生笑っていられる作品を作ってもいい。作ったら、ツイッターなどのSNSで紹介して読んでもらえればいい。私なら読むために飛んでいく。

 「テンプレがあったほうが書きやすい?」

創作というのは、「何を書こうか考えるのが一番楽しい」んじゃないのか?テンプレっていうのは、人気作品を寄せ集めて平均点をとったようなものだ。料理で言えば、「何の変哲もない、レシピ通りに作ったハンバーグ」なのだ。確かにおいしい。おいしいが、そこには料理人の試行錯誤や、家庭で受け継がれてきた独特の味が何一つ入っていない、いわば昔の冷凍食品のようなものになってしまう。それのどこに面白さや作った人の意志を感じろというのだろう。読者からしても、期待しているストーリーを、期待している程度のクオリティで出されるのは、はっきりいってつまらない。たとえある程度面白くても、ある一点(または1以上の点)において他の作品とは群を抜いてよいところがなければ、その作品は「オリジナル」とはなりえない。ただの模造品だ。だから、あふれかえっている「テンプレ作品」で個性を出そうとするんじゃなくて、「最初から新人賞に選ばれるような天才が、編集者たちの力によって覚醒した完成された小説」をまねして、技術を生かしたうえで自分のものとして書くべきだと私は思う。

 

 正直に言おう。私は「なろうテンプレ」にうんざりしているのだ。ネット小説上位は全部異世界最強系。漫画化もアニメ化も全部そうだ。あふれかえったせいでアニメになる作品もクオリティが著しく下がり、そこには「アニメならではのワクワク感や感動」はすでにない。「テンプレ」に頼れば人気が出る時代は終わりだ。何年も前に作られた作品に目を向けてみるのだ。そこには今のネット小説には「無い」ものが網羅できないほどたくさんあるし、それらをまねすることで、小説はより大きな発展を遂げることができるだろう。

 

 

 今回は、ネット小説の新たな作り方を考えてみた。これを読んでそうだと思った人、テンプレ以外を読んでみたいと思った人は、ぜひ周りの人に広げてほしい。ネット小説に新たな風が吹かせるのだ。