オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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異世界主人公御用達、スライムについてPart1~スライムができるまで~

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。今回は、みんな大好き「スライム」に関する話をしていこうと思う。

 

 スライムとは

 

 玩具としてのスライムは、アメリカの玩具メーカー「マテル」が1976年に発売したもので、ひんやりとして弾力がある半固形物質である。元々は、第二次世界大戦中に日本にゴム産地を占領されたアメリカが、人工的にゴムを作ろうとしてできたものなんだとか。日本では1978年「ツクダオリジナル」から発売している。当時はテレビ番組で紹介されたことや発表会で人気に火が付き、材料の水が足りなくなってスライム専用の水道管を増設する事態にまでなったそうだ。今では、材料が簡単に手に入って作るのも難しくないため、小学生が良く作るおもちゃの代表になっているのではないだろうか。私も作ったことがある。

 「おもちゃのスライムの話なんか聞いてないんだよ!」と思ったそこのあなた。スライムが戦争によってできたことを知っていたか?こういう小さな豆知識が、人を成長させるのだと、私は思っている。だから毎回ちょっとずれた話もしているのだ。ぜひ「転スラ」好きの友達に自慢しよう。安心してくれ。ちゃんと次におなじみの「スライム」を紹介する。

 

 ゲームにおけるスライム

 

 先ほど、玩具の「スライム」について紹介したが、なんと架空の生物としてゲームに登場するスライムの原型は、玩具のスライムよりも歴史が古い。というのも、ゲームのスライム(以降スライム)は、アメーバ等の生物がもとになっていて、玩具とは起源が違うのだ。

 スライムの原型が登場したのは、「クトゥルフの呼び声」で有名なH・P・ラヴクラフトの小説「凶器の山脈にて」の「ショゴス」という黒い粘液状の生物である。「ショゴス」は、約4メートルと巨大で、もっと大きなものもいるらしい。水中で活動するために作られたために地上だと動きが鈍るが、自在に形態を変化させる能力を持ち、知能も高いため危険な存在だということだ。この小説が発表されたのは1931年だということなので、明らかに玩具とは違うものだといえよう。

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↑いらすとやにショゴスあったw

 「スライム」というという名前が初めて登場したのは、小説専門誌の「ウィアード・テイルズ」に1953年3月号に掲載されたジョセフ・ペイン・ブレナン著「Slime(邦題:沼の怪)」でのことで、これも玩具より早い。

 その後、様々な作品によって「スライム」系統のモンスターが登場したが、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(1974年)にてイメージが定義された。その時のスライムは、群体生物かつ物理攻撃が効きにくく倒しづらい。酸性の体液で武器を腐食させる。巨大に成長して対処できなくなるなど、非常に厄介で凶悪なモンスターだった。中には特定の属性攻撃でなければ倒せない種類も存在し、どれも厄介なダンジョン内のトラップとして登場した。このイメージは、それ以降の多くのTRPGに継承された。最近のライトノベルにもこの手の厄介なスライムが登場するときがたまにある。

 では、我々がイメージする「序盤の雑魚キャラ」スライムはいつ登場したのか。それは、1981年に発売されたコンピュータRPGの元祖のひとつといわれる「ウィザードリィ」である。この作品では、物理攻撃が効き、種類がいくつかあるものの総じて弱いモンスターとして登場しており、これがその後のコンピュータRPGに影響を与えていると思われる。特に有名なものとして、1986年発売の「ドラゴンクエスト」では雑魚キャラというイメージはそのままに、外見も非常にコミカルでかわいらしいものになり有名になった。

 ちなみに、和風コンピュータ作品にもスライムに似た「もち」系のモンスターが登場することがあり、作品によって「ワラビモチ」や「どくまんじゅう」などが存在する。

 

 今日は、ライトノベルにスライムがでてくるまで、スライムがどうやって誕生したのかについて書いた。Part2では、ライトノベルにおいてのスライムがどういう役割を担っているか、そしてそれに対する私の考えを書いていこうと思う。多分明日書くと思うので、それまでスライムをつくって待っていてほしい。