オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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意味の無い「ステータス」に意味を持たせる加筆方法

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。ここ数日生活サイクルが狂ってきているので、早めに寝て戻そうと思う。みなさんも、生活サイクルを整えて健康な生活を送ってほしい。今回は文字数が多くなりすぎてしまったので、時間が空いた時に読むなり、2回に分けたりして読んでほしい。


 私が一番最初に書いた「異世界系小説にステータスはいらないのではないか」という記事がある。これは、「ステータスで生物を表現するのは無理」とか「ステータスによってキャラクターが数値にとらわれた思考をするようになる」ということを書いたものだ。今回は、そんな意味があまりないのにステータスを書いてしまった作品を、どうやったら「意味があるステータスになるのか」ということについて書いていく。ということで、ステータスを書いてしまった人へのアドバイスが中心となる。なお、今回は
「筋力等を数値化したもの・魔法、スキルの可視化・生物等の鑑定結果の表示・レベル、称号の概念・その他主人公に対するアナウンス表示など」
をすべてまとめてステータスと呼ぶことにする。
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〇意味のないステータスとは

 そもそも意味のないステータス表記と、意味のあるステータス表記の違いは何なのだろうか。これを知ることができれば、ただの便利な機能であるステータスに意味を持たせることができるはずだ。
 意味のないステータスとは、物語に関係してこないのに「管理が楽だから」という理由でキャラクターの能力を表示したものだ。つまり、なくても進行に何も問題がない場合だ。
 例えば、「今の戦闘でレベルが上がり、ステータスが上がった」という出来事があったとしよう。これは、果たして数値に表す必要があるのだろうか。「この戦闘はとても過酷で、今までよりも鍛えられた気がする。」ではだめなのだろうか。わざわざ数値にすることのメリットは、「どんなに小さな変化でも成長したことがわかる」程度でしかない。むしろ、デメリットが大きすぎるため、よほどの理由がないと逆効果だ。

〇ステータス表示のデメリット

 ステータスがあるとキャラクターの行動に大きな制限がかかってしまう。詳しくは私の最初の記事を見てほしいが、ここでも軽く説明しよう。
 ステータスは数値だ。誰から見ても同じであり、不変である。さて、ここで問題だ。人間の強さは、鍛えなければ全く変わらないのだろうか。ステータス通りの能力を常に発揮できるのであれば、変わらないはずだ。だが、答えは否だ。例えば、ケガをしたり病気の時は能力が著しく下がる。頭が回らないし、速く走ることもできない。逆に、人間は時として普段以上のパワーを発揮するときもある。人間に限らず生物の能力は、一瞬一瞬で目まぐるしく変化するのだ。だから、それを固定してしまうというのは、人間味をほとんど消してしまうのと一緒ということだ。ほとんどの場合、こんなものは必要がないということがわかるだろう。

〇意味がないとわかったステータスを意味があるように加筆修正する。

 意味のない「ステータス」を書いているとわかった人は、これから文章を変える必要があるはずだ。放っておくと、どんどん修正が難しくなる。方法は二通りだ。
 まず1つは、ステータスに関する表記を全て消して、なかったことにすること。文章が大幅に削れてしまうが、別に「ステータス」を使わなくても成長を表現する方法はいくらでもあるので、そういう方向に書き換えればよいだろう。
 それともう1つ。どうしてもステータスを捨てたくない人のために、アイデアを持ってきた。

①ステータスが存在する理由を書く。
②ステータスありきの世界観として、ステータスには絶対に逆らえないとする(そうでないと意味がない)。
③ステータスは非常に細かい値まで設定する。

こうすれば、ステータスを書く意味を生み出すことができるはずだ。1つ1つ説明しよう。
 ①は絶対に必要だ。元がゲームの世界にしたり、神様的な存在が管理するなどしてステータスが存在する理由をしっかりすること。神が、頑張った褒美に恩恵として強くするなら、なんとか意味が通る。「ダンまち」のような感じだ。
 ②のようにすることで、例えば「お前に勝つために数値が1上回るように訓練したんだよ!」のような通常なら意味の分からない会話が生まれる。こうすると、ステータスがあることで物語の新たな面白さを開拓することができるだろう。ただ、数値は絶対としても、戦い方などの数値にならない面で戦況がひっくり返るようにしないと全く面白くないので、工夫は必要だ。つまり、戦闘シーンは力でごり押しだけではだめで、しっかりと頭を使わないといけない。頭を使った戦闘シーンを書くことができなければだめだろう。
 ③もとても大切だ。数値を絶対のものにする以上、最高が999程度の世界では他人とのわずかな差が全く表現できない。見づらいことを覚悟のうえで、7桁くらいは書く必要があるだろう。また、状態によっていちいち変化させなければならないので、やることが多すぎる。
 ここまですれば、ステータスを書く意味が生まれるのではないだろうか。正直、非常に大変だと思うのでお勧めはしない。あと、ジョブやら称号やらでステータスにバフがかかるやつは本当に意味が分からないので、やめた方がいい。それこそ神からの祝福レベルの話になるだろう。不思議な力を全部神様のおかげにするのも投げやり感があって嫌だが。


 どうだっただろうか。ステータスを持たせるなら、「お前より1強いから俺が絶対勝ちまーす」くらい煽り倒す奴が出てくるくらいにならないとだめなのだと私は思う。だが「オーバーロード」では、元がゲームであったのもあるが、「主人公たちと周りの強さが段違い」であることを証明するためにステータスが存在していると思っている。こういうようにうまく活用できる人もいるが、相当頭が良くないとだめだと思う。

 
 1度書き始めてしまうと書きたいことが多すぎて毎回文字数が多くなってしまう。上手くまとめるのは得意じゃないので、必要なさそうなところがあれば読み飛ばしてほしい。でも、私は全部書きたくて書いているから、まあ許してくれ。