オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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異世界系の言葉に日本語が入っていることが気になるなら、もっと根本的なところから考えてみようじゃないか

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。この前、私の文は特徴的で、見ただけで私だとわかるとコメントをいただいた。……そんなにわかりやすいだろうか? 何となく、評論家ってこういう書き方かなあというイメージで書いているのだが。あとは、私は「敬語なんか文字数増えるだけだから無駄」だと思っているので、人と話さないときは敬語を使っていない。これも影響しているのだろうか。


 今回は、ツイッターで話題になった「異世界サンドイッチ問題」を取り上げようと思う。


異世界サンドイッチ問題とは

 この問題は、「こんぺいとー@なろう作家」氏が「異世界人のセリフとして『お陀仏』『チート』等の地球の用語を使ったこと」に対して「異世界なんだから割り切って楽しんでくれwww」と発言したのが始まりである。それを「なろうファンDB管理人@スコッパー」氏がリツイートして、「異世界に『サンドイッチ』が登場すると違和感がある。だが、これはラノベだから、読者になじみのある単語で表現しているだけだと自分に言い聞かせる」という旨の発言をしたことで、バズったものだ。「なろうファンDB管理人@スコッパー」氏によると、「サンドイッチは実在する人の名前からついたから、異世界にその名前で存在するのは違和感がある」ということだ。
 この問題については、様々な意見が述べられているが、「そんなこと言ったら言語自体が違うから割り切るしかない」という意見が多くみられた。確かに、実際その通りではあるが、違和感があることは間違いないので、それを回避するための方法も考えた。それも後で書こう。


〇本当に異世界を書きたいのであれば、言語を創造する程度じゃあ生ぬるい

 それでは本題に入ろう。先ほど、「言語自体が違う」という意見が多いという話をした。だが、
「そんなことではまだまだ視野が狭い」
と私は考える。本当に異世界の物語を書きたいのなら、もっともっと深く考えなければいけないだろう。
 さて、皆さんに1つ質問をしよう。よく考えてみてほしい。

異世界が存在するとして、そこに人間は存在するか」




答えは出ただろうか。正解は、「人間が存在する可能性は非常に低い」だ。
 私は生物の進化についての専門知識があるわけではないので、憶測が混じるかもしれないことを先に行っておく。
 そもそも生物は、「その環境に適合できた種が生き残り、その子孫の中でまた適合できたものが生き残る」ためにどんどん特徴的な姿になっていく。例えばキリンはもともと首が長くなかったそうだが、高いところにしか食料がない環境にいた。だから首が低いものは死に、首が長いものが生き残った。それからどんどん首が長い子孫が増えていったのだという。
 じゃあ人間はどうだったかというと、環境変化の過程で弱い存在になってしまったためにいち早く敵を見つけなければならず、2本足で立つことを選択したようだ。結果として、前足が自由になったことで道具を使うようになり、脳が発達したという。
 それに、もし恐竜が隕石(かどうかは諸説あるが)によって絶滅していなければ、恐竜人間のような生物ができていたという考えもあるらしい。我々が「人間である」ということは、何億通りもの道から選びだされた、紛れもない奇跡であるということがわかるだろう。
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 ここで考えなければならないのが、「異世界でも同じことが起こりうるのか」ということである。もし同じような状況が出来上がるとすれば、それは
「地球と寸分たがわぬ環境が何十億年も続く」
ということであるのだ。ほぼありえない。限りなくゼロに近い可能性だと、わかっていただけるはずだ。
 要するに、本当に異世界を書きたいのであれば、大切なのは
「地球に存在するあらゆる生物を登場させないこと」
なのである。
 それこそ、本当にドラゴンとかマンティコアみたいな明らかに人間なんかよりもはるかに強い生物がいる世界であれば、人間のように進化するわけがないのだ。増してやそれに積極的に挑もうと考える生物なら、絶対に基礎能力がそれなりについているはずである。あなたは、この防具あげるからライオンを倒してきて。と言われて倒せるだろうか。少なくとも中世時代のような世界観なら、そんなことを考えるなど、愚の骨頂であろう。
 それに対抗する程度の能力を得るには、例えば「4本脚になって機動力を上げる」「強い武器を持てるように腕が発達する」「目が非常に良くなる」「皮膚が硬質化し、攻撃を通さない」などの進化が必要である。それから、人間の情報伝達手段はほかの優れた生物よりもはるかに劣っているので、「特殊な音波で遠くの味方の動きが分かる」などもあるかもしれない。それから、魔法もその類に入るだろう。
 どうだろうか。もう、日本語が入っているかどうかなど、どうでもよくなっただろう。「人間」という思想にとらわれている時点で、もうその文句はちっぽけなものなのだ。蚊に刺されるほうが鬱陶しいくらいである。

〇小さな違和感をなくすために

 それでも、どうしても気になって文句を言う人は必ずいる。そんな人を少しでも減らすために、私はいくつか「違和感がある言葉の種類」を考えた。これを使わないようにすれば、引っ掛かりが少なくなると思う。

・ネット小説用語や、ネットスラング、流行語、若者言葉などを使わない。
 これらはみんながなじみのある単語のため、特に気が付きやすいから注意。作者側も自然に使っちゃいがち。ちなみに私は若者言葉がまったくわからない。一応19歳なんだけどなあ。

・宗教に関する言葉、政治に関する言葉を使わない。
 これはそれぞれの地域の歴史や思想が大きく関係しているので、異世界で再現するのは不可能に近い。登場させたいなら、自らで1から作り出すこと。

・地理や人物に関する言葉を使わない。
 特に「月」「太陽」に注意。「月が2個ある」なんて言葉をよく見るが、それは月、太陽という星ではないことをよく覚えておくこと。

以上だ。やってみるとかなり窮屈になるかもしれない。やってみて無理そうなら、別に物語全体に影響はないからやらなくても良いと思う。ただし、心無い文句が飛んでくるのは覚悟すること。まあ、流せばよい話だが。

異世界感を出すために
 それでは、違和感をなくすため、より異世界感を出せそうな言葉も少しだけ紹介しよう。

・金属や生物など、「もうすでに異世界っぽいものも作られているもの」を新たに考えだし、その世界独自のものにする。
 前の記事にも書いたが、「ミスリル」や「ゴブリン」だともう誰も異世界っぽさを感じなくなってきているので、それを逆に利用してやろう。

・日常の食べ物に、「地球の人間なら嫌がって食べそうにないもの」を入れる。
 そもそも「当たり前」が違うということをアピールするのだ。


 いかがだっただろうか。こういう話はたくさんの人の意見が聞けるので、書いていてとても楽しい。
 あなたがもし、文句で気を落としたときは、これを思い出してほしい。思い悩んでいることは、だいたいがちっぽけなことなのだ。「お前のほうがよっぽど見えてないよ! もっと広い視野を持ちな!」そんな気持ちで、言い返してやろう。読者は決して、1人じゃない。あなたの書き方に共感してくれる人を探していくべきなのだ。


 だいぶ期間が開いてしまったことは申し訳ない。これから忙しくなるので、投稿ペースは落ちるかもしれないが、その分濃い内容をお届けできればいいなと思っている。今までずっと応援してくれている人も、これが初めてという人も、これからもよろしく頼む。