オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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新・「なろう系異世界小説」で「ステータス」を設定するのは損ではないかpart1

 自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。期間が開いてしまって済まない。色々ドタバタしていて、更新する暇がなかったのだ。

 このブログを書き始めて、それなりに時間がたった。書き始めたころに比べれば、大分見てくれる人が増えたということで、私が初めて書いた記事をもう一度、今のスタイルで書いてみようと思う。

 私がもともとこれを書き始めたきっかけとなる「キャラクターが人形になっているなろう系小説をぶっ壊して、もっと世界が生き生きしている小説が増えてほしい」という思いが込められた記事なので、共感していただけたなら、是非とも拡散してほしい。1番届いてほしい、「なろう系」を書いている人に届くように。

 

 

 なろう系、つまり「異世界転移・転生系」ネット小説は、近年爆発的な人気を見せて、一気に深夜アニメ界の新生として躍り出た。

 魔獣や悪い人間と殺し合いをするというグロテスクで暗い雰囲気を、ハーレムやゲームのようなシステムを導入することで明るく語るという手法。そして、ネット小説ならではの短い話が連続するスタイルで、ファンはどんどん増えていった。

 しかし、私はその「誰でも頭を空っぽにして楽しめるスタイル」が、小説が本来持っていた「1人の人間(主人公)の人生という、新たな世界に飲み込まれる」という面白さを失わせたのではないかと思っているのである。

 だから今回はその大きな原因である「ステータス」を設定するデメリットを紹介しよう。

 

〇「ステータス」とは

 

 一般的な意味としては「高位の地位や身分。つまり社会的な地位」を指す言葉。コンピュータ用語だと、システムの今の状態を示すパラメータの集合を指す。わかりやすく言えば、「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」が前者で、「私の戦闘力は53万です」が後者である。ちなみに、私は「らき☆すた」のこの言葉にも元ネタがあることを今調べて知った。

 そんな話はさておき、なろう系における「ステータス」は、キャラクターや装備品などが持つ能力を数値や文字にした表のことである。

 力がどれだけあるかとか、どれだけ素早く動けるかスタミナがどれだけあるかなどの動物の身体能力。それから、武器の性能、特殊な能力の名前などが挙げられる。それらを、読者や物語のキャラクターが閲覧できるようなっているというわけだ。

 今回、私が問題だと思っているのは、この「読者や物語のキャラクターが閲覧できる」という点である。これから、それについて詳しく書く。

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〇損だと思う理由① 数値の基準が非常に曖昧

 

 まず、ステータスの数値の基準を見てみよう。あなたの頭の中に、素早さが100の人間と、200の人間を思い浮かべてほしい。数字が大きくなるほど速く走れる。そうだな。100の方は、50m走で10秒としようか。少し遅めの小学生くらいかな。それらを実験台としよう。

 では、とりあえずそれらを同時に走らせてみてほしい。さて、どのくらい速さが違うだろうか。私の予想だが、1秒くらいしか違わない人もいれば、3秒ほども違う人までたくさんいると思う。もしかしたら、数値が倍だから速度も倍だと考える人もいるかもしれない。

 さて、まあこれ以外の情報が何もないから予想がばらけるのは当然なのだが、あなたに考えてほしいのは、「この数値はいったい何を基準として導き出されているのか」ということである。

 ゲームであれば、素早さは攻撃速度や攻撃順番に影響したり、攻撃を回避する可能性を計算するときに使われる。これらは、他の数値(例えば相手の素早さ)を参照して、それと比べたりかけ合わせたりして結果を導き出しているのである。つまり、別のキャラクターよりどれだけ優れているか、ということを計算式をもとにして決めているのだ。だから、ゲームによって「1」の重要さが全然違うのである。

 では、「なろう系」小説の場合はどうだろう。おそらく極一部を除くほぼ全ての作品が、作者自らが設定すべきはずの計算を全くせず、「多分これくらい強い」という安易な理由で数値を付けてしまっている。

 そうすると、こんな問題も生まれてくる。

「そもそもステータスの数値は、基礎能力なのか、それともキャラクターの能力を最大限に発揮したときのものなのか」

 例えば、何も訓練をしていない一般人が、世界一足の速い選手の体に乗り移ったとする。さて、その人物は、世界記録を出すことができるだろうか。否である。絶対に不可能だ。なぜならば、「足の速い人は、足が遅い人よりも効率の良い走り方をしているから」である。

 この時、あなただったら「ステータス」にどのような数値をつけるだろうか。同じ能力なんだから同じ数字? それとも、実際には同じ速さで走れないから全く違う数字にする? これが、とても悩ましい問題なのである。

 前者なら、方法によっては全然違う結果が出るのだから、「ステータス」をわざわざ書く意味がない。でも後者なら、少し効率の良い方法を見つけたて会得したら、数値が変更されていないとおかしなことになる。どちらにしても、非常に面倒で、表すこと自体がばかばかしくなってくるのである。

 

 

 今回はここまでだが、書きたいことはまだまだあるので、また次回、続きを書こう。それにしても、初めて記事を書いた時よりも、大幅に説明が長くなってしまった。これは成長したと言っていいのか。それともまとめるのが下手になったのか。でも、私はこれで良かったと思っている。ちゃんと言いたいことが全部かけている証拠なのだから。

 

 

 初の試みだが、全く同じことを書くという結果にならなくてよかった。まだまだ「損な理由」はたくさんあるので、次回にも期待してもらいたい。また、最初にも言ったが、共感してもらえたのなら、知り合いの小説書きにも紹介してほしい。私の考え方が、あなたの表現の幅を広げてくれることを期待しつつ、今回はこれで終わろうと思う。