オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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【次世代の覇権を握る】「俺TUEEE」などの次に流行るバトルもの小説を考えるPart2

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。Part1の反響が予想以上に大きくて、とても嬉しい。今、午前中に私の部屋でこの記事を書いているのだが、このくらいの時間で雲が多いと、風が通って意外と涼しい。こんな小さな発見も、小説に生かせるのではないだろうか。これからどんどん暑くなっていくので、熱中症に気を付けつつ、季節の変化などのちょっとした気づきがあればここに書いていくことにする。

 

 

 Part1で、「俺TUEEE」や「成り上がり」などのバトルもの小説のいずれ飽きられて廃れていきそうな要素を書いた。今回は予告通り、それを踏まえて「私が考える次に流行るバトルもの小説」を書いていく。

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〇流行りを予想するための指標

 

 一応、これらを考えるための指標について先に述べておこう。

 

・これから科学の発展や人間の思想の変化の可能性を考えた結果

・いち早く流行りものに飽きてしまい、それらの『小説としての欠点』を考えた結果たどり着いた、私が個人的に読みたい小説

 

としている。前者を中心としているが、私個人の願望も含まれているということだ。

 

 

〇次に流行るバトルもの小説とは

 

 さて、本題に入ろう。細かいストーリーの内容ではなく、どちらかというと作品のコンセプトの1つとしてとらえていただければと思う。

 

・恋愛描写をかかず、主人公から見て異性を「戦友」として描く

 最近のバトルものは、戦闘と恋愛がセットで書かれることが非常に多い。それ自体は何も問題ないが、それによってどちらも中途半端になってしまったり、片方が雑になってしまう作品もたくさんある。特に多いのが、「(男性が主人公の場合)ヒロインが主人公を担ぎ上げるためにいる」というパターンである。主人公が凄いことをしたら褒める、驚く。プレゼントをヒロインにあげることで、主人公が良い人だとアピールする。こういった描写がよくあるのだ。

 ヒロインは、主人公のために存在しているわけではない。1人の重要なキャラクターであるはずだ。読者がそのキャラクターを気に入ってくれることが第一目標なわけであり、それができるなら、どんな性格だって問題ない。であれば、別に主人公に恋愛的な好意を寄せることは、「必要なこと」ではない。

 だからこそ、あえて恋愛描写を捨てることで、「頼れる相棒」ポジションとして異性のキャラクターを描く小説があっても良いと思うのだ。異性だからこそ起きる価値観の違いや役割分担は十分に書くことができるし、戦闘や作戦を練る描写に専念することができる。それに、「相棒」や「チームの一員」というのは、時に「恋人」よりも深く通じ合い、読者が夢中になるような連携を見せることがある。だんだんと信頼しあっていく描写を描くのも面白いだろう。こうやって書いてみると、メリットはたくさんある。

 そして、

「男性主人公と肩を並べて、時には引っ張ってくれるクールなヒロイン」

「女性主人公を深く信頼し、同じ話題で真剣に話し合ってくれる頭脳派のヒーロー」

どちらも惹かれるだろう?恋愛という、ある意味枷となっていたものを外すことで、自由に人間関係を作ることができるのだ。今例に出したような信頼を描いてもいいし、逆に、いつもぶつかり合っている凸凹コンビにするのも面白いと思う。

 

・いわゆる「スキル」をなくし、人間同士の戦いを描く

 もしかしたら何を言っているか分かりづらいかもしれないので、補足しておく。私は、「スキルによって超強化されたキャラクターを『人間』とは認めない」のでこう書いた。あれはもはや、気まぐれで命を奪い、世界を滅ぼす災厄である。

 スキルは、前回も言った通り、認知され始めた当初は人気があった。しかし、どんどん「世界改変できるほどの能力があるのは当たり前」になってきてしまったのだ。それありきでは、どんなに白熱したバトルを描こうが、主人公がピンチを迎えようが関係ない。「どうせどうにかなる」、または「使い方があまりにも下手すぎる」、そうでもなければ、「主人公がいない間あなたたちはどうやって生きてきたんですか?」と言いたくなるようなさらに強い敵が出てくるだけだ。駆け引きや発想の面白さなど、見る影もない。

 だからこそ、そういった「スキル」をなくし、生身の人間が戦うバトルものが今後人気になると私は予想する。ただ、本当にただの人間が1対1で戦っても面白くない(それならスポーツの大会や時代劇を見る)ので、いろいろ工夫する必要がある。

 例えば、戦争の様子を描くのはどうだろうか。主人公が戦場に立って、死ぬ瀬戸際を描くこともできるし、指揮官なら、戦況全体を見渡す頭脳戦のようなことができる。作戦を立てたり、新しい武器を開発したり、偵察をしたり。スキルなんかなくても、できることは山ほどある。

 頭脳戦に寄せるということもできる。ゲームの戦略性、攻略法を考えるのは難易度が高いが、主人公の性格や考え方によって様々な方向に話を進めることができるだろう。先ほどの、男性と女性でタッグを組むこともできる。まあ、これをバトルものと呼ぶことができるかは微妙だが。

 それから、魔法が存在するならそれでも良いだろう。その時は、魔法をしっかりと戦略に組み込む力と、魔法が一体どういうものなのか、しっかりと定義する力が必要がある。それでも、現代にはない要素というのは魅力的なものだし、地球に住んでいては絶対にできないような戦闘が可能なので、「魔法を戦略の1つとして、行動の手段として描く」というのは面白いと思う。

 その他にも、主人公の思考を細かく書いてみるというのも良いかもしれない。武器の重さや、痛み、思いの強さ、汗や太陽(のような星)光などで気が散る様子。1回の戦闘で相当長く文章が書けるだろう。これは読むほうも書くほうも、かなり大変かもしれないが、想像力を鍛えるという意味ではありか。

 

・ ストーリーを重視するのではなく、主人公の人生を描く

 Part1で、「ストーリーのためにキャラクターが存在している」という話をしたと思うが、その逆をやってみるのだ。

 主人公の性格、思考を精密に作り、それに沿って物語を進めていく。この状況なら主人公はどう行動するのか。この場面で主人公は何を感じるのか。今主人公は何を考えているのか。それを徹底的に追求し、その作品内で架空の人物の体験談を、もっと言ってしまえば日記、伝記の類を作る。そんな小説が今後出てくれば、そして目に留まるようになれば、人気が出るのではないかと思っている。

 もしそのような小説ができあがれば、読者が主人公に憑依したような感覚になると思われ、それは深い没入感がある……と予想する。そこには、共感できる部分や今まで知らなかったことがたくさんあり、それらは何らかの形で読者の人生に影響を与えるだろう。もう1人の人生(の一部)を体験できると考えれば、とても魅力的だ。

 ただ、作者は相当に頭を使わなければならない。例えば今のバトルもの小説のようなストーリーに(主人公が選択した結果として)なるとしても、そこに至った経緯や学んだことを次の話に反映させなければならず、管理が大変である。それでも、書く価値は非常に高いし、1話ごとに大きな達成感があると思われるので、自信がある方は挑戦してみてほしい。

 

 

 皆さんは、どのようなバトルものが読みたいだろうか?考えが私と同じでも、違っても、「次」を考えること自体に大きな意味がある。

 自分が書きたいものを書くのが一番だが、流行りに乗っていくようでは3流だ。常に自分の意思で構想を考え、自分なりの書き方で共感を得る。これこそが、「新しいものを作る喜び」であると、私は考える。

 

 

 良ければあなたの考えを教えてほしい。色々な意見があったほうが、考察がはかどるというものだ。