オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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主に異世界系の小説における季節感の出し方を考える

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。5月だというのに、真夏だと思えるような暑さの時もあれば4月くらいの気温の時もある。毎年毎年異常気象で嫌気がさすが、体調を崩さないように慎重に生きていきたいものだ。

 

 

 今回は、「長編小説の季節感」について書いていく。これを読んでくれている小説家の皆さんは、自分の作品の季節感について考えたことがあるだろうか。私が今まで読んできた作品を統計して考えてみると、主に異世界転生・転移系統の小説は、あまり季節を重視していないような気がする。今回は、その理由と解決法について考える。

 

〇季節が変わるわけを軽く説明

 

 季節が変わるという現象は、地軸が公転面に対して垂直でないから、太陽に当たる時間が地球の場所によって変わることで起きる……らしい。理系の弟に聞いたのだが、私には詳しく説明できない。ということは、地球の地軸が垂直であれば季節が全く変わらないということになる。が、まあ少なくとも日本は大きく変化するので、異世界でも変化があったほうが受け入れやすいし、時が流れていることを感じやすいだろう。

 

〇季節感がなくなってしまう理由と、ない作品の傾向

 

 では、少なくとも日本では当たり前である「数か月すれば季節が変わって景色や生活が変化する」ということを小説に組み込むことを忘れてしまうのか。それは、

「ストーリーを重視しすぎた結果、作者の脳内のマップが完全に固定されてしまっているから」

だと考えた。ここ数年のネット小説は、細かな描写よりも「いかに読者が面白がるストーリーを書くことができるか」が重視されている。その結果が今まで私が書いてきたように平坦なものになってしまっているのだが、その影響は季節感にまで及んでいるようだ。ストーリーを意識した結果、過ごした日数をカウントしていないのだろう。

 「脳内のマップ」というのは、その作品内の世界のマップのことだ。ここにナントカ帝国があってその隣に○○王国があって、さらに隣には巨大な森があって……といったものだ。これを作者がどこまで詳しく設定しているかは別として、だいたいの場合、森や草原といった植物に覆われた地域が出てくるだろう。突然だが、問題だ。森や草原は、いつまでたっても緑の葉が生い茂っているものだろうか?  答えは否だ。年中葉をつけている木は存在するが、そうでない木も大量にあるし、草は冬になれば枯れてしまう。春になれば花が咲いてカラフルになる。冬になれば動物は冬眠するから、絶対に、「森は森だから一年中危険生物だらけ」ということは起こりえない。さて、あなたの脳内マップは、季節によって更新されているだろうか?

 そういうわけだから、派手なストーリーを重視する「休みなく大型イベントが起き続ける作品」には季節を感じさせる描写が全くない。ある国は永遠に長袖1枚で過ごせるし、ある山奥では永遠に雪が降っている。またある国ではずっと砂漠が続いている。そんな、よく考えると隣接していたらおかしいマップが完成してしまうのだ。

 異世界系でも、学校が舞台の作品なら別で、季節感が出るものが多い……と思ったのだが、読んできた作品にはそういう描写がある作品は非常に少なかったように思えるので、やはり学校が舞台でもイベントが重視されてしまっているのだろう。

 

〇季節感を表現するために

 

 では、季節感を出すためにはどういう工夫をすればよいのか。真剣に考えてみたので、1つずつ説明していこう。

 

1.経過した時間をカウントする

 ほとんどの作品は、なぜか「1年は何日で1か月が何日」という設定はしているので、それに合うように経過した時間をカウントして簡単なカレンダーを作る。ちゃんと季節を示す描写があれば、読者は勝手に感じてくれるため、カレンダー自体は作者だけが分かっていればよい。もちろん、時々開示したほうが良いが。あなたにも、「今日は何月何日か」と口に出してしまう時があるだろう。主人公にもあるはずだ。

 

2.季節ごとに祭りや風習をつくる

 日本でいえば、お正月や夏祭り、クリスマスやバレンタインデーなど。こういう風習があれば、完結までに何年もかかる長編小説の強みが出て面白いと思う。季節感を感じられるのはもちろんのこと、毎回主人公たちの人間関係の変化を楽しむことができる。日々ストーリーが進行してあわただしい作品でも、休憩というか、シリアスな空気を払しょくして楽しめる空間を作ることもできる。それに、その作品ならではの祭りを作ることができるので、オリジナリティを出すことができるだろう。どこまで作りこむかは作者の腕とやる気次第。

 

3.季節ごとに脳内マップを更新。季節ごとに動植物の動きを変える

 最後に、季節ごとでいいから脳内マップを更新すること。動物は、春から秋までは活動するが冬は冬眠している場合があるし、植物なら花を咲かせる時期もあれば枯れて枝だけになるときもある。そしてそれは、種類によって時期が違うから、季節によって見かけることができる動植物は変わるのだ。特に昆虫は、一年中見かけられる種類はほとんどいないので、色々な種類を用意するとよいだろう。花や木も、季節によって色が変わり印象が全く違う。家の窓から見える景色は、季節によって全く異なるのだ。

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4.人々の服装などを変える

 季節ごとに服装や使用する器具を変えること。冬なのに半そで着てクーラー入れるやつはいない。夏にコートを着るやつもいない。そういうところを、変えていくことが大切だ。

 

 

 どうだっただろうか。季節感を演出することができれば、読者に時間の流れを感じてもらうことができ、物語に厚みが出るはずだ。現実の季節に合わせる必要は全くない。だってそこは、異世界だから。我々は、小説の中の異世界に入り込むことができる。その中では、普段は感じることができない、「いつもとは違う日常」が待っているのだ。

 

 

 どうも私は運が良いようで、ツイッターで紹介してもらった作品がどれも違った魅力のある、大ブレイクできる可能性を秘めていると感じている。だからこそ、今以上に成長するための1つの手段として、このブログを活用してもらいたい。そうなることが私の本望であり、最高の喜びである。