オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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異世界主人公御用達、スライムについてPart2~チートスライムの新たな活かし方~

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。前回の続きで、スライムについて話していこう。前回はスライムの成り立ちについて話したので、最初から異世界ラノベのスライムについて話していく。

 

最近のライトノベルにおけるスライム

 

 昨日話した小説やゲームに登場したスライムと比較して、「最近のライトノベルにおけるスライム」はどういう点が異なっているのかについて私の考えを含めて説明していこうと思う。

 モンスターとの戦闘がある異世界系のライトノベルにいるスライム(及びそれに類するもの)は、基本的に雑魚キャラとして扱われており、剣でたたくだけですぐにつぶれたり、攻撃方法が体当たり程度しかない存在だ。その弱さを逆手にとってスライムだけをひたすら倒し続ける作品があったり、ペットとして飼われている作品がある。読者や主人公に嫌われるような厄介な特徴はほとんどなく、モンスターの中でも相当愛されていて、優遇されているといえるだろう。やはり、「ドラゴンクエスト」などの影響を強く受けているといえる。

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 一方で、最近のライトノベルでは主人公のパートナーともいえる地位を確立し、強大な能力を有する「THE・雑魚キャラ」とは思えない個体が存在している。有名なので言えば、

 

転生したらスライムだった件

 

が挙げられる。このような作品は数多く存在しており、それぞれ「何でも吸収する」「巨大化」「物理攻撃無効」「変身」などかなり「ダンジョンズ&ドラゴンズ」よりの強いモンスターになっているようだ。なかには「主人公が持つスキルのコピーや転送」「テレパシーによる会話」など、主人公の能力により初代スライムを超える強さをもった個体も登場し、そのインフレはとどまることを知らない。

 このように強いスライムができたことの理由を考察すると、おそらく「主人公と同じ境遇のキャラ」だからだという結論になった。ネット小説の主人公というのは少なからず「理不尽な現実に対する反逆」という面が存在している。その反逆する要素が「ふと湧いて出た力(例えば神からの贈り物)」か「理不尽を乗り越えて得た力」かによって大分印象が変わるがまあそれは置いておいて、何も良いところがなかった主人公が強くなるという読者にとっての夢や妄想を描いたものだ。それを、スライムというその世界において何も持たないキャラにも持たせることで、より強い者へ挑む弱者をわかりやすく描くことに成功している。さらに、そのかわいらしい見た目に加え、小さくて目立たず町に入れやすいなどの利点があるので魅力が多い。

 ここまでスライムの利点や魅力を伝えてきたが、直近の作品においては「強いペットスライム」は当たり前になってきていて、スライムはもはや異世界作品の流行の1つといえるものになっている。主人公の能力はもう出し尽くされているが、スライムはまだジャンルとして確立されているわけではないので、主人公をはるかに超える強さを持った最強のスライムを作ってみるのもよいのかもしれない。なんなら、ペットになってからの裏切りをスライムにやらせるのも面白いと思う。

 

 スライムは、最初にできたときのような凶悪な存在ではなく、もっと愛される存在になってきていることが分かった。人間によりがちな主人公の仲間にモンスターを加えることは、バリエーションを増やし、話の幅を広げるから有用な方法だと思う。スライムに限らず色々な「可愛い敵キャラ」をもっと増やしたり、仲間になっても最終的には敵になるなど、もっとこのジャンルは進化する余地があると思う。作家様がこれを読んで、ただの流行の量産品ではなく、オリジナリティが光る小説が1つでもできることが、私の目標である。それが達成されるなら、これ以上の喜びはない。