オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

主にネット小説に関するアイデアを投稿しています。もし気に入ったものがあれば、自由に使っていただいて構いません。よければ、Twitterに、執筆している作品の紹介とともに連絡してみてくださいね。

【ネット小説は、ラノベである前にネットである】

 自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。しばらくライトノベルやネット小説を読む気がなくなっていたので、ブログもお休みしていたが、また書きたいときに書いていこうと思う。とはいえ、まだ物語を読む気にはなれていないので、ネット小説のレビューはさらに先になってしまいそうだ。

 アニメを見る気も起きないのだが、ゲームのシナリオを進めることは全く問題なくできる。なぜかはよくわかっていないが。だから、もしかしたら、今までやってきたゲームの紹介記事なんかを書くことがあるかもしれない。

 

 

 今回は、久しぶりだということと、あまり物語に関心がなかったために、小説の内容については書かない。そのかわり、「ネット小説」自体の在り方について考察してみたので、私の考えを書いてみることにする。

 私にしては珍しく、「人気」に焦点を当てて書いていく。短期間で人気を集めるためだけに小説を書く人は好きではないが、人に見られてこそ作品が輝くのも事実。自分が満足するだけでなく、それを人と共有するためにも、「ネット小説」で人を集めるための書き方を考えた。

 

〇ネット小説は、本ではなく、ネット記事である

 何をいまさらと思う人と、何を言っているんだと思う人がいるだろう。とりあえず、話を聞いてほしい。

 私は今まで、ネット小説について様々な記事を書いてきた。それを振り返ってみると、ほぼ全てのものが、書籍化されているライトノベルと比べてどこが劣っているかということを書いていると思う。

 私は、今までの考えを正しい、つまり、小説として面白くなると確信して書いてきた。しかし、よく考えてみると、「ライトノベル」としては正しくても、ネット小説としては問題がある考え方なのではないかと思い至ったわけである。

 

〇もし人気を得たいなら、ネット小説と書籍の決定的な違いを知っておく必要がある

 書籍化されている小説というのは、基本的に1冊で話がまとまっているものである。ライトノベルは、何冊にもわたってシリーズになっていることが多いから、話が大きくなって2冊分で1つの事件が解決することもある。それでもだいたい、1冊で起承転結ができているものだ。

 対して、それなりの人数に見てもらおうとネット小説を書くなら、1話(数百から数千文字)で見せ場と引きを作り、次の話につなげていく必要がある。それが数十、数百話集まって、1つのシリーズになっているのだ。

 なぜ同じようなジャンルの作品なのに、こんなにも書き方を変える必要があるのか。それが、ネット小説と書籍ライトノベルの最も大きな差なのである。ここをきちんと整理しておかないと、「全体を見てみると間違いなく良作なのに、誰にも見てもらえないネット小説」が出来上がってしまうのだ。

 

〇ネット小説をネットと割り切る

 小説に限らず、全体に言えることだが、ネットというのは、次々に注目の対象が移ってしまうものである。なんなら、並行して複数の動画を見る人すらいる。1度にたくさんの情報を得られ、ワンクリックで別のことを調べられるがゆえに、1つのことを完遂しようとする人はかなり少ない。

 書籍なら、1冊買ってもらえれば、大体どういう内容なのか、どんなことを書きたいのかがすぐにわかる。1冊だけでも十分に好き嫌いが分かれるのだ。そして、形として残るために目に入りやすく、気に入られたシリーズや同じ人の作品は、次も読まれやすくなる。

 しかし、ネット小説は、ネット上のものの1つでしかない。ほかの作品や、他の分野にすら、一瞬で目が移る可能性が常にある。もし大して気を引けないまま他に移られてしまうことがあれば、せっかく読んでもらった作品は、その読者の記憶に残ることがない。

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↑簡単に2窓できる

 

〇ネット小説の現状

 上記の内容を理解していただいたうえで、現在のネット小説はどうなっているか見てみよう。今回は、一番人気であろう「小説家になろう」を参考にすることとする。

 この記事を書いている2020年3月18日の、主なジャンルのランキングを見ていこう。

 

異世界〔恋愛〕

 1位から5位までのタイトルを見比べても、「妹」「婚約者」「元婚約者」しか目に入らないくらいタイトルが似ている。作者は全員違う。すべての作品は、タイトルが一文で納められていて、シンプル。

・現実世界〔恋愛〕

 めっちゃくちゃ長いタイトルが3作品と、「〇〇だった件」が2作品。ジャンル通り恋愛というところは共通しているものの、話の流れはバラバラ。現実世界だが転生する話が2作品。

・ハイファンタジー

 もはやいうことなし。でも書かないとわからないから書く。5作品すべてが100文字近いタイトル。説明っぽいタイトルからの、見どころっぽい展開をタイトルで説明している。無能といわれてからのスキル覚醒のような展開がほとんど。

・ローファンタジー

 ハイとは打って変わって、長文タイトルなし。ダンジョン系が多いが、タイトルを見ただけだと、何がローファンタジーなのかよくわからない。

 

 以上が、現在のランキングの簡単なまとめと、私のちょっとした感想だ。パッと見て思うのは、ランキング上位の中で似ている作品が非常に多いということである。

 この現象の理由は、おそらく「好きな作品があったけど更新待ちだから、同じような作品を探そう」となったか、「一番の見どころである最初のところを読んだら、後はどうでもよくなったか」であろう。

 どうでもよくなったらランキングに乗らないのではないか、という考えもあるかもしれない。しかし、ランキングに乗るために重要なことは、「少しでも見てくれる人を増やすこと」だ。1回でもページを開いてくれれば、継続的に読んでくれる人は必然的に増える。ファンを増やすよりも、目に留まるようにすることを重要視すると、ランキングに乗りやすくなるのだろう。

 そういえば、ツイッターの小説募集企画も、「最初のほうだけ読みます」とか、「書き始めの人限定」とかの条件を付けている人を多く見かける。タイトルと、話の最初がいかに人気を得るために大切なのかが、わかっていただけると思う。

 

〇「ネット小説」の模範的な書き方とは

 先ほど書いた通り、ネット小説にはネット小説の書き方があり、書籍の真似をしていては、人は集まらない。ネット小説の1つの作品を継続的に読んでもらうためには、書籍とは全く違う構成で話を作る必要がある。私が「ネット小説」の書き方を考えてみたので、参考にしてみてほしい。

 

・書き始め

 最初の5話くらいまでのつかみで大きな見せ場を作らなければならない。書籍のようにゆっくり状況説明をしたり、引っ越しのシーンからきれいな景色で感動するといった静かな立ち上がりでは、すぐに飽きられてブラウザバックを食らってしまう。一目で非現実だとわかるような大きな出来事や、主人公がいかに物語的に魅力的な「立場」や「考え方」を持っているかを、読者に示すことが重要だ。

・更新するたびに気を付けること

 1話ごとに、少しでもいいから話を進展させること。毎回、ハプニングやそれを解決するシーン、キャラクター同士の関係の発展や成長を、何かしら決めてから書くと良い。もちろん、新キャラクターを出したり、新しい場所へ行くなどの大きな進展でもよい。名言を一緒に作ることができれば、読者の気を一気に引くことができるだろう。

 ただ、あまりにも小出しにしすぎると緩急がなくなってしまい、全体としてダメダメになるので注意。完結してから後悔することになるだろう。

・大きな話の区切りについて

 書籍なら1冊のエピローグに相当するほどの区切りは、頻繁に設けないほうが良い。話を長引かせず、わかりやすくまとめることを意識すると良いだろう。区切りごとに舞台やスポットを当てるキャラクターを変え、その魅力を伝えきったら次に行くようにすると、上手くいきやすいはずだ。

・人気に左右されず、しっかりと自分が書きたいことを書く

 最後に、人気ばかりを気にするなと警告しておく。今書いている作品が完結したとき、見返してみたら当初書きたかったこととかけ離れていた、ということは、あってはいけない。自分で進路変更するならいいが、読者の意見や人気に振り回されていては、いつまでたっても成長することができないだろう。意見を取り入れるなら、自分の考えと比べて、参考にできることとできないことを見極めることが大切だ。

 

 以上だ。何かのヒントになれば、幸いである。

 

 いかがだっただろうか。この記事を通して、ネット小説のことを、よりよく活用していただければと思う。また、私も、書籍のライトノベルとネット小説は違うものだと認識することができた。これからの記事やレビューに活かしていきたい。

 この記事の考えからすると、ネット小説が原作の書籍やアニメというのは、もともと書籍が原作のものと比べてかなり異なるジャンルであると見ることができる。もしかしたら、画風が似ているだけで、子供向けアニメと深夜アニメくらいの違いがあるのかもしれない。

 

 

 そろそろこのブログも1周年だ。更新頻度はだいぶ落ちているが、これからも続けていけるよう、ネタをひねり出していく所存である。