ライトノベルの表紙は誰がいいのか~主人公VSヒロイン~
自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。明けましておめでとう。今回から、気持ちを新たにして頑張っていこうと思う。まあ、やることが変わるわけではないから、本当に気持ちだけだが。
新年1つ目の記事は、本屋を回って思いついたことを書くことにした。ネット小説が原作のライトノベルは、作品によってメインのキャラクターが全く違うのだ。その理由を考えてみた。
書籍の表紙のことではあるが、小説を書く上で軸となる重要なこともかかわっている。あなたも初心に帰ったつもりで、読んでみてほしい。
〇本屋に並んでいるライトノベルの表紙の違い
あなたは、本屋でライトノベルが置いてあるスペースを見たことがあるだろうか。最近は、ネット小説ブームがすさまじいため、ネット小説が原作のライトノベルが、ひとまとまりになって棚を埋め尽くしている。このうちほとんどは、普通の小説の大きさに比べるとだいぶ大きく作られているので、ネット小説発の作品は、すぐに見分けがつくだろう。
さて、本題だ。ネット小説の表紙を一通り眺めてみると、描かれているキャラクターの違いに気が付く。それは、大きく分けて
「ヒロインがメインに描かれているもの」
「主人公がメインに描かれているもの」
である。特に、背表紙を見ると、その本でスポットが当てられているキャラが書かれているものと、すべての巻に主人公が描いてあるものを見ることができる。ある本屋に置いてあったもので数えたところ、ヒロインが描かれているものと、主人公が描かれているものの割合は、およそ6:4ほどだった。
私は7年ほどライトノベルのファンだが、男性主人公が毎回メインに描かれている作品は、ほとんど見たことがない。だから、なぜこんなにも主人公がメインに描かれている作品が多いのか、考えてみた。
〇主人公が毎回表紙の中心にいるデメリット
まず初めに、おおよそ予想がつくとは思うが、ヒロインが表紙に書かれている理由を書いておこう。
簡単に考えられるのは、「そのほうが売れるから」だ。というか、人気が出るからか。ほとんどのライトノベルは、ターゲット層が男性であるため、目につくところにヒロインの、つまりはかわいい女の子の絵が描いてあると手に取りやすいのである。実際、新しい作品を買うときに、絵を判断材料にしている人は多くいるだろう。
ほかにも、同じ作品でも様々な個性を持ったキャラクターを見せることで、色々な人に目に留まりやすくできるし、「推しキャラ」が読者にできれば、それを見るために継続して買ってくれる人が増える。たくさんのヒロインが表紙のメインを務めることは、メリットが多いのだ。
それに比べて、主人公が毎回メインとして表紙に出てしまうと、そもそも女の子がでてこない、または隅に書かれるだけになってしまう。それに、新刊のイラストと差別化することが難しいため、新鮮さも薄れてしまうだろう。なぜ、こんなデメリットを背負ってまで、主人公を前面に押し出すのだろうか。
〇主人公を表紙に描いている理由
主人公が毎回書かれている理由、それは、
「その作品が、ヒロインではなく主人公を見せるために書かれたものだから」
である。
基本的にライトノベルというのは、作品によって程度の差こそあれ、ヒロインの可愛さをアピールすることに重点が置かれている。理由はもちろん、作者がそれを書きたいからであり、読者が読みたいからだ。私のような読者は、可愛いキャラをいつだって求めているし、作者だって、もとはそういう気持ちから小説家になったに違いない。
しかし、主人公がメインに表紙に描かれている作品は、そもそもそこから違うのである。このタイプの話は、大体のものが
「主人公の成長」
を軸としていて、それを楽しむ作品なのだ。よく考えてみると、最近のネット小説は、このようなものが増えている。
そして、このタイプの作品には、「成り上がり」「無双」「チート」「転生」などの文字が作品名によく入っている。この単語、何か共通点がないだろうか。そう、すべて、主人公の行動や状態を表しているのだ。
今までの作品は、例えば「物語のキーワード」「舞台となる世界の名前」「ヒロインの名前」などが入っていることが多かった。一見よくわからない言葉でも、内容と結びつきやすいものがほとんど。耳に残りやすいワードや、すぐに作品を連想できるような言葉にすることで、読者の心をつかむ、シンプルで迫力のある方法だ。
しかし、「主人公の行動や状態」が入っている作品は、作品名から話の中身まで、主人公がいかにして危機を脱出したり、爽快なアクションを行うのかだけを追求している。主人公を見せるために書かれた作品なのだ。だからこそ、主人公が話が進むごとに、つまり新刊が出るたびに成長していく主人公を、表紙に描いているのである。
〇最近は、底辺から成り上がる「主人公」を読みたい人が増えている
まとめると、ヒロインが可愛ければ良いという小説ではなく、「主人公が成り上がる」作品を求める読者が増えてきているということだ。ただ見ているだけでも爽快なのはもちろんだが、仕事などでストレスが溜まっている人にとっては、未来に生きる希望になっているのかもしれない。
とはいえ、そろそろチートで戦闘無双するのは飽きてきているので、
「主人公が何かしらの力を得て貴族や王族を論破していく作品」
なんかを書いてみると面白いと考えている。言葉だけで戦うのは、作者自身がめちゃくちゃに頭を使うので、他のシーンも含め、読み応えのある作品になりそうだ。
〇主人公を書くのか、ヒロインを書くのか
上のように考察したが、実際のところ、「ヒロインが描きたかったのに、主人公の無双シーンが凄いせいでおまけになってしまった」という人もいるだろう。あなたが小説を書くのなら、どちらにスポットを当てて書くのか、しっかりと最初に決めておいたほうが良い。二と負うものは一兎も得ず。中途半端に全部やろうとすると上手くいかないし、コンセプトがぶれるせいで、読者が混乱してしまう。
ついでに言うなら、主人公と恋愛するヒロインがいなくても、ライトノベルは完成する。だから、もし主人公をメインに書きたいのなら、ヒロインのことは1度考えから排除すると、スムーズに書けると考えている。
あなたが書いている作品は、どちらに当てはまっただろうか。最初のコンセプトを思い返して、今と見比べてみると面白いと思う。変わっていてもいなくても、あなたが満足してかけているのならそれ以上はないのだが、時々、「物語の軸」について考えることも大切だ。
さあ。新たな年がやってきた。去年までのことを忘れるのではなく、しっかりと振り返ったうえで、新たな気持ちで進もうではないか。
今年の抱負は、
「去年よりもたくさんの人と深い交流を持てるようにする」
こととしよう。私の考えに共感してくれたり、私のアイデアを役立ててくれる人により多く会うために、尽力することとする。