読者からみた異世界系のキャラクター情報の決め方と管理方法「これを書いてほしい」
自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。異世界系、つまりキャラクターが特殊能力を持っている場合のキャラクターの管理方法を考えてみたので参考にしてほしい。
まず、キャラクターの基本情報を書いていく。名前、身長や体重、髪の長さや髪形、色などの外見の設定。話し方、立場、家族構成、好きなものや嫌いなもの。この辺はみんなやっているだろう。容姿以外は話が進むごとに変わっていくことがあるので、都度変えていくこと。変わる過程や変わる前の情報も残しておくと、話を作るときに違和感や矛盾をなくすことにつながるだろう。
ここまでは誰でもやっているだろう。ここからは、今まで読んだ小説であまり見なかったものを書いていく。これらを入れていけば、より「生きたキャラクター」になるだろう。
1.癖と大まかな生活サイクル
まず癖の話だが、「口癖」は決めるのにそのほかの癖を書かない人が多い。人間誰でも何かしらの癖があるもので、例えば「じっとしているとテーブルの肘をつく」とか「耳を触りやすい」「気づいたら歌を口ずさんでいる」など、ボーっとしているときでも個性は出るものだ。それに、特定の感情になったときになったときによくやる仕草を決めておくと良いだろう。キャラクターの個性がより際立つので、ぜひやってみてほしい。
生活サイクルも決めていない人が多いと思われる。人は安定した生活していれば一定の生活サイクルが生まれる。朝は何時に起きて、何時に仕事に行く。朝はパン派、ご飯派(異世界に米があるのかは知らん。そんなこと言ったらパンがあるのもおかしくない?)。いつに寝て、何曜日に買い物に行くのか。これらを決めておくと、「なんでこんな時間にこいつこんなところにいるの?」ということがなくなる。できれば一週間分、最低でも一日分は作っておくべきだ。
2.声の質
読者は物語を読むとき、書いてあるキャラクターの情報を参考に自分なりにそのキャラクターを想像している。ということは、作者が想像しているキャラクターと読者1人1人の想像しているキャラクターは同一人物でありながらイメージが異なるということが起きうる。私の体験談で、原作を読んでいた小説がアニメ化したとき、「このキャラこんな声だったの!?」ということがあった。このようなことをなくしたいのであれば、キャラクターの情報をできるだけ詳細に書くしかない。特によくあるのが声質なので、それを書いた。声の質を文字で表現するのはなかなか難しい場合は実在する人物を例に出してもよいだろう。
3.過去
そのキャラクターがどうして今こうしているのか、こんな気持ちなのか。それを裏付ける根拠であり物語をささえる部分である「過去」。これがないとキャラが「薄っぺらくなる」。特に転移、転生ものの作品は過去を地球においてきてしまうため、この状況に陥りがちだ。断言しよう。この世に「過去のことを全てすっきり忘れて新たな人生を歩める人間などいない」。行動を決定する際は確実に過去が起因するから、過去の情報を決めておかないと「どんな思いでこうすることを決めたのか」みたいなことが何も伝わらない。絶対に決めておき、どこかのタイミングで読者に開示すべきである。これは主人公に限らず、全キャラクターに共通することだ。
4.弱点
完璧超人が読者に好かれることはかなり稀だ。完璧そうに見える人物でも、何かしら弱みがある人間のほうが人間味があるし、好感が持てる。逆に弱点だらけな人間であっても、確固たる折れない意志や1つだけ特技があったらよいキャラクターに見えるだろう。それと同じだ。現実の人間は、特技に比べて弱点だらけだ。虫が嫌い。体力がない。音痴だ。~恐怖症。そんなものばっかりだ。それでも、人は人が魅力的に見えるし、それぞれを補おうとする。それこそが友情や愛情というものではないだろうか。そういうものを書くのが、キャラクター、そして物語を作るということなのではないだろうか。
今回はキャラクターの書き方を私なりに考えてみた。作者目線ではなく読者目線で「足りない」と思うところを書いたので、これを参考にキャラクター像をもっと精密作ってみてはいかがだろうか。
ツイッターで作品を読んでくれという依頼がいくつか来ていてとても嬉しい。時間を作って読み、ある程度長い話なら紹介記事にしてみようと思う