【ラノベ全般】主人公は異性ではなく「読者」にモテるカリスマ性を磨け!!Part2
自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。前回に引き続き、ライトノベル主人公はどういう人格にすべきか。という話をしていく。これは、どんなジャンルの物語にも当てはまることだと思うので、ぜひ参考にしてほしい。
前回は主人公の「良い点」について書いたので、これから「こんな欠点があると読者からの好感を得やすい」と考えられる性格を紹介する。
前回、「完璧な人間」は主人公としてふさわしくないという話をしたが、そもそも主人公に限らず、物語におけるキャラクターはどこか欠点を抱えていたほうが読者にウケる。それは、
・弱かった人間がだんだん成長していくキャラクターを見るのが楽しい
・一見完璧そうでもどこか抜けているというギャップが良い
・苦手なことに試行錯誤しながら、またはがむしゃらにチャレンジするキャラクターを見るのが楽しい
などの理由があるからだ。だから人気の小説では、たとえ「最強」と呼ばれるような高スペックのキャラクターを書くとしても、人付き合いが上手くなかったりとても残忍な性格だったりする。それらが何らかの出会いや出来事によって考えが変わったり、より成長するシーンが我々読者にとって1番の見どころなのだ。
さて、本題に入ろう。
〇何かしら「苦手」とするものがある
別に何でもいいのだが、最低でも1つはどうしても苦手なものを作ったほうがいい。「○○恐怖症」のような重いものでもいいし、虫だけは触れないというような好き嫌いの部類でもいい。
これは必ず様々なシーンで役に立つ。「普通ならここは勇敢に行くべきでしょ!」というようなところでその「苦手なもの」があって無理だというようにギャグっぽいシーンが作れる。他にも、苦手なものに囲まれたりしたときに思考停止してしまう主人公の心情を書いてもよいだろう。たった1つだが、結構汎用性は広いように思える。症状が重ければ、克服するシーンを書くのも面白い。
ちなみに余談だが、私は動きに制限がかかるほどの小さな空間または拘束された状態が非常に嫌いで、この状況に陥ったらパニックを起こすと思われる。みなさんも、なにかしらそういう体験を思い出して主人公を同じ目に合わせてみるのはいかがだろうか。想像しながら書けば、よりリアルな心情が書けるだろう(鬼畜)。
〇失敗を知らない、または失敗しすぎて卑屈になっている
最近のネット小説は、転生するものが多いせいで「前回の反省を生かしつつ、全部リセットして1からやり直そうぜ」という展開が多い。それはつまり、主人公はできるだけノーリスクハイリターンな人生の最適解みたいな行動をするようになるということだ。それは、転生ものが出てきたころなら面白かったかもしれないが、今となってはイージーゲームすぎて迫力や緊張感が皆無となってしまっている。
そういうわけだから、主人公には
「努力しなくても全部それなりにできちゃってイージーモードだったけど、物語のどこかで絶望してもらう。その先どう変わっていくのか」
「物語が始まる時点ですでに失敗の経験があって、それによって性格が歪んでしまった(作品によって多少の差はある)。これからどうしていくのか」
このどちらかの人生を歩んでもらうことにしよう。こうすることで、Part1で書いた「どこか達観している主人公」ができあがった理由を書くことができる。他にも、前者なら、主人公の過去を知っているキャラクターの登場によって場をかき乱すことができ、新たな展開を生みやすい。後者なら、今までは信頼していた仲間を拒絶したり裏切ったりするという展開を書くことができ、それまでの話とはキャラクターたちの人間関係を大きく変化させることができる。
それに、主人公(=語り手)は少しゆがんだ思想を持っていたほうが物事の見方や感じ方だけで個性を表現でき、さらには単純に感じたことを書くだけではなく裏を読んだり邪推したりすることで、より多角的な見方ができるようになる。つまりは作者の「物事を柔軟にとらえ、表現する能力」が問われるわけだ。
これをうまく活用できれば、その作品でしか味わえない「書き方の魅力」を披露する機会がぐっと増えるだろう。
いかがだっただろうか。読者は、いつでも「自分とはどこか違うイレギュラーな主人公」を求めている。それをいかに文字で表現できるか。それが作者の腕の見せ所であり、小説を書いていて一番楽しいところだろう。
これはあくまで私の意見だが、主人公が語り手の作品は「作品の面白さの50パーセントは主人公」だと思っている。主人公が出来事についてどんな反応をするのか。どんな過去を持っているのか。どんなキャラクターとどんな話をするのか。それに読者は注目しているのだ。
今回は、「なろう系」に限らず多方面のジャンルに応用が利く話ができたと思う。これから、たくさんのジャンルのネット小説を読み、良いと思った作品をたくさん紹介し、もっと良い話がたくさん生まれるようにしていきたい。今まさに書いている方々のため、これから書こうと思っている方々のため、力になれるように尽力する所存だ。