オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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【やるだけで話が深くなる】主人公の「過去」を詳しく決めて、読者に開示すべき!

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。何日か前に

読者からみた異世界系のキャラクター情報の決め方と管理方法「これを書いてほしい」

という記事を投稿した。今回は、この記事の中にあった「キャラクターの過去」について、もっと詳しく書いていく。主に異世界ファンタジー系の作品を意識して書いているので、そういうものを書いている人、書こうとしている人は参考にしてほしい。

 

 私の経験上、「過去について深く触れられていない」キャラクター第一位は意外にも

 

「主人公」

 

である。

 主人公以外の主要キャラクターというのは、登場させる過程で何かしらの厄介な事情を抱えている場合があり、それを説明するために過去の話をする必要がある。突発的な事件ではその場で簡単に解決してしまうから、主人公とこれからかかわっていくほど親密な関係になるためには問題は大きくなければならないのだ。これが主要キャラクターに過去を設定しやすい大きな要因だろうと考える。他にも、主人公以外のキャラクターというのは基本的に「セリフとして情報を話すことを求められる」ため、過去について語りやすいのかもしれない。

 それらに比べて主人公は、主に一人称視点で書かれるキャラクターだ。主人公の過去とは主人公にとって当然のこと。何か要因がない限り詳しく説明する機会がない。それに、転生または転移をすることで魂が洗濯されてしまうのか、わざわざ思い出して仲間に語る場面もあまりみかけないのだ。あまり考えずとも物語を進めることができてしまうため、作者もあまり考えることがないのであろう。

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主人公に過去を設定しなければならない理由

 

 先ほど「主人公の過去は書かなくても物語を進めることができる」と書いたが、ではなぜ主人公の過去は必要なのか。それは読者が

「過去の出来事があればあるだけ主人公に感情移入できるから」

だ。人間というのは経験則に従って予想したり予測を立てて行動することがよくある。それらはすべて過去に起因するわけだ。特に主人公の行動は物語を大きく左右するため、「主人公の経験=過去」とは物語を半分以上作っているといっても過言ではないだろう。読者は主人公の過去を詳しく知れば知るほどその行動に納得できるし、その結果にも満足する。逆に主人公に「俗にいう一般人」とはかけ離れた過去を持たせることで、読者に興味を惹かせることもできるだろう。過去を設定し、何らかの形で物語の中で説明することができれば、それだけでグンとおもしろさや奥深さが上がるだろう。

 では、主人公に過去を設定せずに物語を書くとどうなるのか。適当に礼を作ったので見てほしい。

 

過去がある場合

 私はやっと刑事になることができた。理由は過去に父を殺人鬼に殺され、そいつが許せなかったからだ。何も関係ない奴を不幸にする犯罪者は絶対に許さない。この世からそんな連中を抹消してやる。これは復讐だ。

 

過去がない場合

 刑事になれたから刑事やってみるわ。まあ、力強いし推理も上手いから犯罪者捕まえて女の子にモテモテになっちゃいますか~w。

 

 少し書き方に問題がある気がするが、言いたいことはわかるだろう。過去があると、「主人公が刑事になった理由や目的」に加えて、今回の文ならば「主人公の異常性」も少し感じることができる。たったこれだけの文だが、想像できることは山ほどあるのだ。それに比べて過去を設定しないと、「全てが行き当たりばったり。その場の勢い」で決まってしまう。こんなので主人公に共感できるやつはいない。できる人がいたとしても、その人は小説を読まないだろう。小説を読みに来る人は、必ず何かしらのあこがれや共通意識を探している。それを書くためには、過去というのは確実に必要になってくるのだ。

 過去の種類は多岐にわたる。嬉しかったこと。トラウマ。学んだこと。信条、信念。感動したこと。誇り。人に関する記憶。それらはふとした瞬間に思い出されるものだ。常に意識していなくても、同じようなシチュエーションに遭遇したり、別の人から聞けば懐かしくなる。それらは人にとって大切な財産であり、人を形作る大切な要素だ。過去を設定してやっとその人物は「その人」として存在しているといえる。

 

 主人公に過去が必要な理由がわかっただろうか。感動していつまでも記憶される小説というのは、ここらへんの描写が丁寧なものが非常に多い。ぜひキャラクターの過去を気が済むまで考えてみてほしい。

 

 

 今回は、主人公の過去について詳しく書いてみた。他にも「過去の記事の内容を詳しく説明してほしい」ということがあればコメントしてほしい。ネタが増えて嬉しいし、モチベーションも上がる。そして、これらの記事によって、ネット小説にもっと厚みが生まれ、たくさんのキャラクターが生き生きしてくれることが、私にとって一番の喜びだ。