オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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ネット小説に求められる「話の進行速度」Part2

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。前回に引き続き、ネット小説の進行速度を制御して読みやすい小説を作れるようにする方法を書く。前回は速すぎる場合を書いたので、今回は遅すぎるほうだ。

 

【遅すぎないようにする】

 

 話の進みが遅いと読者に飽きられてしまうことがある。できるだけ避けるべき事態だ。これが起きる原因は、「展開に緩急がない(または急展開が来るまでに間がありすぎる)」「キャラクターの成長がほとんどない」「本筋と関係ない話が多すぎる」などがある。

 まず、緩急がないという話から。長編の物語というのは、話全体に関係してくる最終目標と、それに到達するためにいくつか設けられる小さな目標がある。この、「小さな目標」を作らなかったり、作っても盛り上がりに欠けてしまうと面白みのない文になってしまう。イベントが起きないということは、常に同じようなことの繰り返しか、ノロノロ最終目標の準備をしているのをただ見るだけになってしまう。これでは、話自体は更新していてもあまり濃い内容が作れないし、キャラクターの関係の進展や新たなキャラクターの登場もほとんどない。イベントをしっかり作るためには、「主人公を普段生活している場所から移動させる」ことが一番手っ取り早い。新天地には、主人公にとって未知がたくさんある。そこで新たなキャラクターを登場させることでイベントを起こしたり、その土地に伝わる逸話や伝説を考えてみるのもよいだろう。隠されていた真実を明かす機会になるかもしれない。今ある要素に、何か別のものを付け足していくことが大事だ。

 次に、キャラクターの成長がないという話。イベントを起こしても、キャラクターが成長しなければ読者にとっては話全体の進行が遅いと思われるだろう。人間というのは起きたことに対して学習するものであり、それが後の判断に影響を与える。イベントが起きたにもかかわらず何も学ばずにいるのであれば、それは1話ごとに時間がループしている子供向け番組になってしまうのだ。最初から最後まで成長しない主人公は、長編小説にはふさわしくないだろう。キャラクターの成長というのは、肉体的な強さだけではない。むしろそれよりも精神的なもののほうが成長を感じやすいだろう。特に主人公は一人称視点で書かれることが多いため、思考や行動の変化がよくわかる。精神的な成長を適切なタイミングで書くことができれば、読者の関心を引くことができるだろう。

    それから、本筋からかけ離れたことばかりやっていても進行速度が低下する。例えば、「なにか目標があるが達成するのに1週間待たなければならない」とする。その1週間を、毎日細かく描写していては本来の目的を忘れてしまう。だから、本筋が進行中の時はあまり寄り道せず、空いた時間の描写は適当にしておく方が良い。ただ、その空いた時間に別のイベントを用意することも出来るので、本筋を忘れない程度にキャラクターの成長を行うのもありだ。毎回でなければ。


 最初から最後まで一つの目標に一直線なのは、物語として盛り上がりに欠ける。たまには寄り道したり、何か事件に巻き込まれてみるのもよいものだ。音楽で言えばサビの部分がないと悲しいだろう。それと同じだ。多分。つまり、同じことばかりやっていてはだらけてしまうという事だ。

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 今回は【速すぎないようにする】に比べて短く説明も少し下手になってしまったが、わかっていただけただろうか。「話の進行速度」を上手く制御できれば、読者はどんどんその世界にのめりこんでいける。作者が伝えたいことがそのまま伝わる。Part1と合わせて読んでいただき、これを機に色々な作品の「進行速度」について考えてみてはいかがだろうか。