【ライトノベル】意外と忘れがちな、キャラクターの「表情」を書け
自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。私は、ツイッターで「今日書きます」と事前に言うことが多い。昨日は、予告をしたにもかかわらず、「やっぱり書かない」としてしまった。
ある程度の期限を決めているとはいえ、基本的には「書きたいときに書く」というスタンスだから、どうしてもこういうことは起きてしまう。しかし、更新するたびに見てくれる人のことを考えると、予告や記事が上がった時の報告のしかたを、変えたほうがよさそうだ。
今回は、ネット小説を含めたライトノベル全般に起こりがちな、「キャラクターの表情があまり書かれていない」ことについて書いていく。
表情は、キャラクターのイメージを容易にし、深めてくれる大切な要素だ。キャラクターや、作品全体の魅力にかかわってくるので、しっかりと意識して入れていくとよいだろう。
〇「表情」を説明する言葉は、意外と書かれていない
実際に小説を読んでみるとわかるのだが、意外にも、「表情」を直接的に表現している文は多くない。大体の作品が、「服や体の動き」「心情表現」などをもとに、読者自身が想像できるように書いているのだ。
ほかの要素から表情を想像させる方法は、決して間違っていないし、小説を書く上で必須のテクニックだ。小説のキャラクターは、読者の頭で考えながら読まなければ、キャラクターが活きないからである。挿絵があれば、ある程度の表情の変化も想像できる。
しかし、表情自体(顔のパーツ)を書かなければ表現できないこともある、ということを忘れてはならない。表情を見たまま表現することは、非常に重要なことなのである。
〇直接表情を書く必要がある「顔」
上に書いた通り、キャラクターが、簡単に想像できるような表情をしているのなら、直接的な表現をすることはない。「笑った」と書くよりも、「胸が躍った」とか「跳び上がるほど嬉しかった」と書くほうが体全体を表現できる。笑ったことも容易に想像できるから、わざわざ「笑っている」ということを書く必要は、あまりないだろう。
だから、直接書かなければいけない表情は、「そうであることを強調したいとき」と「漫画で見るような顔」である。例を出すと、
・目が点になって、ぽかーんと口がだらしなく開いている。
・目が鋭く光り、顔の筋肉が引き締まった。
・涙目と小さく開いた口が、必死に訴えているが、その姿が可愛い。
・ジト目で見つめている。
・眉を吊り上げながらも、口を出すことなく悪口に耐えた。
などだ。正直あまり自信がないが、正しく伝わっていることを祈る。
このような、目や口に注目した文を入れることで、様々な「顔」を表現することができる。特に例の後半は、ギャグマンガに出てきそうな、デフォルメされたキャラをイメージしてみた。
基本的に、ライトノベルは漫画やアニメのような「絵」でキャラクターが表現されるものの、表情自体は読者が想像する。だから、アニメや漫画に比べて、現実寄りになってしまうことが多いのだ。しかし、あえて漫画のような表情を書くことによって、現実から世界を引き離すことができるのである。
とはいえ、漫画的表現だけをしてしまっては、漫画の劣化になってしまうので、頻度を間違えないようにすることが大切だ。
〇表情から読み取れる情報はたくさんある
ほかの情報から表情が読み取れるように、表情を書くことで、心情や周りの空気を表現することができる。いろいろな表現の中から、時と場合に応じて、使い分けをしていくことで、ワンパターンにならない文章を書くことができるだろう。
また、ネット小説には、セリフが続く場面がよくあるが、セリフとセリフの間に表情を変えることは、誰にでもあることだ。細かい描写が、読者の想像力をより豊かにし、小説の世界を彩ってくれることを、忘れてはならない。
煮詰まってきたと思っていたネット小説も、作品を読んでいて気づくことはたくさんある。表現次第で、作品のクオリティはグンと伸びる。ぜひあなたが小説を書くときは、色々な表現方法を試してみてほしい。
少しずつではあるが、見に来てくれる人が増えてきている気がする。活動が最も盛んだったころに比べるとまだまだだが、たくさんの人に私の考えが共感され、小説に生かされることがあれば、これ以上の喜びはない。