オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

主にネット小説に関するアイデアを投稿しています。もし気に入ったものがあれば、自由に使っていただいて構いません。よければ、Twitterに、執筆している作品の紹介とともに連絡してみてくださいね。

あなたの作品の世界地図、どこまで詳しく説明できる?

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。ツイッターを見ていると、私と同じような思想を持つ人が活発化してきていると思わせる発言をいくつか見かける。もしかしたら、ネット小説の変化はすでに始まっているのかもしれない。2,3年後が楽しみだ。

 

 

 今回の記事は、現代の地球を舞台としない全ての小説に当てはまる話題となる。

 あなたは、自分の小説の世界のことを、どれだけ正確に把握しているだろうか。世界がどのように成り立っているかという大きなものから、人々の生活まで、膨大な量の設定が組み込まれていると思う。といっても、必ずすべての事柄を設定しなければならないわけではない。主人公の立場によっては全く知りえない情報は多々あるだろう。それに残念なことだが、今のネット小説界隈には、ある作品について隅々まで知り尽くしたいと思っている読者はあまり存在しない。作者だけが分かっていればいいことは、たくさんある。

 そんな「小説の世界を構成する無数の要素」のうち、作者、読者どちらにも大切な要素の1つが「世界地図」である。これについて私とともに確認していこうではないか。

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〇世界地図の作り方

 

 最初に、ネット小説における世界地図はどのように作ればよいかを書いていく。

 まずは作者側。作者は、わざわざ文章にする必要がないので、ぱっと見て分かるように簡単でいいから絵として地形を記録していくべきである。物語で名前が出てきた地名の場所や特徴をその場で記録しておくと、後から見てもわかりやすい。設定を忘れてしまうこともなくなるので、一石二鳥だ。

 次に読者から見た地図だ。こちらは、作者が詳しい情報を開示しない限り、小説に出てきた文章だけで把握しなければならない。だから、作者は小説の文章だけである程度の位置関係が分かるように努めるべきである。特産品や特殊な気候などを書き加えれば、よりその土地の印象が深くなる。効果が大きいと思われるので、おすすめだ。

 

〇多く見かける地形や国の土地の違和感

 

 世界地図を作るにあたって、というよりも、「小説に登場する地形や国が所有する土地」について、違和感があるので、それを紹介しよう。

 よく見かけるのが、このパターンである。

「○○国の東に△△国があり、そのさらに東には大森林があって、その向こうに◇◇国がある」

何がおかしいか、わかるだろうか。10秒ほど考えてみてほしい。

 

考え中……考え中……

 

 正解は、「その森がどこの国にも属していない」ということだ。

 これの何がおかしいのか、詳しく説明しよう。まず、現代の地球の地図を思い浮かべてほしい。日本は島国なのであまり関係がないが、大陸の国々は、国境を定めることで、それぞれの国のテリトリーを決めている。国境は、大きな山や川を目印にしている国がたくさんあるのだが、それは「山や川のどの部分までがこの国か」というものを定めているものである。世界中探しても、どこの国にも属さない地域はほとんど存在しないだろう。海も含めると別かもしれないが。

 では、「なぜあらゆる土地がどこかの国に属していないといけないのか」ということを、私の憶測だけで話していく。

 例えば、先ほどの例のように、国と国の間に大森林があったとしよう。そこは、国の地域に接してはいるが、どの国のものでもない。さて、この時、どのような問題が起きるのだろうか。

 1つ目。森林は「どの国の法も適応されず、何でもかんでもやりたい放題の地域である」ということになる。これが問題なのだ。何が起きても自己責任。逆に、資源をいくらあさろうが、人に危害を加えようが自由。そんな地域が誕生してしまう。それは、国を作って共同生活をしている人間にとっては大問題である。

 そして2つ目。そんな地域が存在するなら、確実に土地の取り合い、つまり戦争が発生する。どの国も資源を必要としているため、土地が欲しいのだ。歴史を見ればそれは明らかである。すぐに戦争にならなくても、森林なら(その国の土地ではないはずなのに)木を切って材料にしたり、新たな道を作ったりするはずだ。

 これらの理由により、どう考えてもおかしなことになるだ。この状況が生まれるとすれば、全方位から開拓不可能の地帯で、絶対に人が通れない地域であると判断した場合である。すべての国がそこには立ち入らないことを約束するしかない。しかし、そんな地域が国に囲まれた場所に存在するのも不思議な話だ。土地の特性だとするならば、その近くに国ができて栄えることは難しいはずだし、人間では絶対にかなわない敵が存在するなら、それを読者に伝えるための描写(例えば過去の開拓作戦が失敗した話など)がないといけない。それに、それが完全な不可侵領域であるとするなら、その地域を挟んだ交易は容易ではない。それを加味してモノの値段や技術の進歩を書かねばならないだろう。

 だから、基本的に人間があまり入らない場所であっても、どこかの国の一部にするべきなのだ。国の中身が都市だけというのはおかしいだろう。開拓されて発展された場所も、そうでない場所も一体になっているべきなのだ。日本など、山が多すぎて、整備された土地ですら坂だらけだ。そういう土地を描くことも、重要なのである。

 

〇地域ごとに特徴を設定しよう

 

 先ほども書いたが、地域、都市ごとに特産品や観光名所、気候などを設定すると、読者はその場所をイメージしやすい。そこでよく食べられている郷土料理や、特徴的な建物、伝統の祭りでもよい。他にも、他の地域では見られない動植物を書くのも良いだろう。特に、気候や祭りは話のネタにできるし、絶景や観光名所を書けばデートの話も書けるだろう。また、細かく書いて、読者に良いと思わせることができれば、ファンアートとして描いてくれる……かもしれない。読者は、主人公たちがいる空間を絵として想像することが多いから、情報は多いと嬉しいはずだ。

 

 

 さて、あなたの作品の世界地図は、どのくらい詳しく書かれていただろうか。この記事によって、1つでも発見や新たな思い付きがあれば幸いだ。最近のゲームは、技術の向上によってグラフィックが非常に向上している。異世界などの景色の参考になると思うので、実際にプレイしたり、動画を見てみるとよいのではないだろうか。

 

 

 まだまだ私のブログは始まったばかりで認知されていないし、人気もないが、いつか、色々なジャンルを書いている小説家の方々と、読者の方々と意見を交わしあったり、そこから新たな考えを見つけたりしてみたい。そんな場を作るためにこれからも私なりの意見を書いていくつもりだ。