オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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全てのネット小説作家に知ってほしい「時間」と「創造」の大切さPart2

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。ネット小説には、ゲームと共通していることがたくさんあると思う。特に、最近のものは当てはまることが非常に多い。ということは、逆に、ゲームをやることで学べることもあるのではないかと思う。

 

 

  前回の続きだ。前回は「時間」について説明したので、今回はネット小説に足りない「創造」だ。あなたは、自分の小説の中で、何を創造してきただろうか。それを考えつつ、この記事を読んでほしい。

 

〇「創造」とは

 

 別に小説に限らず、何かを生み出すということは、何か新しいものを作り出すことだ。影響を受けた作品の良いところや好きなところを組み合わせていき、そのうえで自分が体験してきた新しい要素を加えてオリジナルの作品を作っていく。つまり、創造であると言える。が、今回私が話すのは、「全く新しい生物や概念などを作り出す」ということである。

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〇既存のものに頼りきっている

 

 あなたの作品の中で、「これは既存のものでなく、自分が考えた要素だ」と言えるものはどれくらいあるだろうか。キャラクターや国などの名前を除けば、作品の長さにもよるが、ほとんどの人が10には届かないのではないだろうか。

 まあ当然と言えば当然である。何せ、この世の中にはアイデアの数が星の数ほどある。それを見て、ここから完全なオリジナルを作り出すというのは至難の業であるかもしれない。

 だが、だからと言って、自分で考えることをやめてしまったらそれはもはや「作品とは言えない」だろう。自分が好きなカットケーキを寄せ集め、1ホール分にしたものを「これは自分が作った新しいケーキです」と言えるだろうか。否であろう。中に入っているフルーツを自分なりに工夫してみたり、新たなデコレーションを考えてみたり、できることはあるはずなのだ。例えそれが、知らないところで既に存在していたとしても、新たなものを作り出す工夫をすることは非常に重要なのである。

 

〇簡単に工夫できるものの代表例(異世界系)

 

 大人気ジャンルである異世界系、所謂「なろう系」から、工夫する余地が十分にあるにもかかわらずそれをやっていない「既存の生物や概念」を紹介しよう。

 

・ゴブリン、オーク、ドラゴンなどの魔物

 これらの、まさに「THE魔物」と呼べるような想像上の生物は、なぜかどこの異世界にも存在する殿堂入り生物だ。特徴もほとんどの作品で一致しており、おそらく起源となったものとは大きく変化した「ゲームを参考にした生物」である。

 これらには姿が似た派生形が複数存在するのだが、最近はそれすらもどの作品にもでてくるという、もはやいないほうが変であるかのような生物になってきてしまった。

 さて、「これらは別に存在しなくても物語は完成する」ということを、お忘れではないだろうか。その生物がどうしても好きで、登場させたいというならわかるが、もし「みんな登場させているから人気のために登場させる」のならば大きな間違いである。他の作品と同じ敵対生物を登場させるということは、

「ほかの作品と同じ作戦を立て、同じ戦闘げシーンを書かねばならない」

ということだ。すでに倒し方を理解しているゲームのボスの攻略動画を見て、何が面白いのだろうか。初見プレイの動画を見てその時の感動に浸るならまだしも、淡々と倒すだけなんて見ていて退屈だ。ましてや、読者は大量に同じような内容の話を読んでいる。「もう見飽きた」となることは、もはや必至であろう。

 だから、「少なくとも自分は見たことがない魔物」を創造することは、魔物との戦いを描くうえで非常に重要であると言える。姿かたちから特徴、普段どのように暮らしているのか。どのように戦うのか。生息地は。好物は。これだけの情報があれば、自分のオリジナル生物は必ず作れる。そして、それができれば、新たな攻略法を生み出すことができるし、その生物にかかわるまた別の動植物も思いつくかもしれない。1つ考えるだけで、連鎖的に考えは生まれていくものだ。ぜひやってみてほしい。

 これを考えると、「ありふれた職業で世界最強」は序盤から大量にオリジナルの生物やアイテムが登場するので、「なるべくして人気になった」と言えるのかもしれない。

 

・魔法とかいうくくりと概念

 なんでネット小説作家は、「異能力=魔法」としてしまうのだろう。火を出すのも魔法。水を凍らせるのも魔法。傷を治すのも魔法。死者をよみがえらせるのも魔法。転移も魔法。ものを消滅させるのも魔法。……おかしくないか?そんなこというんだったら、料理も医療も算数も発明も、全部化学ですと言えることになるのではないか。

 おそらく「地球の人間ではまねできない特別な力」を全部ひとくくりにして魔法と呼んでいるのだろうが、そんなことだから、いくらでも強い能力を作り出して歯止めが利かなくなるのだ。

 私は、「作品ごとに魔法を定義すべき」だと考える。ここでは便宜上「魔法」と呼ぶが、名前すらも変えたって誰も文句を言わない。それがすでに、既存の概念にとらわれているのだ。魔法は何で発動するのか。そこからちゃんと理由を考えて、まとめるのだ。最近の作品は、「異世界だから」「神の力だから」で説明されていることが多すぎる。そんなので納得できるわけないだろ!!それから、細かく分類して、専門を分けたほうが良いかもしれない。教師もできて、手術もできて、鍛冶もできて、建築もできる。そんな人間は、世界中探してもほとんどいない。魔法も同じように考えれば、何種類も使えるような狂ったような努力家はいないとみるべきだ。先天的なものだったら、なおさらである。天は人に二物を与えない。

 

 他にもいろいろあるが、それはまた次の機会としよう。あなたも、自分なりに工夫できるところを見つけてみてほしい。そしてぜひ、それを形にしてみてほしい。

 

 

 どうだっただろうか。

「あなたの考えは、絶対に既存のものに引けを取らない」

そこには、張りぼてとは違う、あなたの意思が宿っているのだから。あなたが一生懸命考えた、オリジナルの生物や概念などは、その後の執筆に大きく貢献してくれることだろう。

 

 

 これを読んだあなたが、より創造性のある、誰も見たことがない作品を世に出すことを、心から期待している。そしてそれがインターネットの世界であふれ、伝えあえる世界が来ることを、私は信じている。