オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

主にネット小説に関するアイデアを投稿しています。もし気に入ったものがあれば、自由に使っていただいて構いません。よければ、Twitterに、執筆している作品の紹介とともに連絡してみてくださいね。

全てのネット小説作家に知ってほしい「時間」と「創造」の大切さPart1

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。コロナ鬱に続き、学校再開鬱というのが多いとニュースで知った。現代人は、このような(特に小さい子の)所謂「精神病」の類にどう対抗するのだろうか。そして、あなたが今書いている小説の世界には、そういった症状が出てくるだろうか。人間は、非常にもろい生き物だ。それを理解し、表現していくのも、リアルな世界を書くためには必要かもしれない。

 

 

 今回は、様々なジャンルのネット小説作品に触れて感じた、「ネット小説に足りないところ」を書いていく。それは、長編ならほぼすべてのジャンルに当てはまる「時間」と、主に「なろう系」と呼ばれるものに足りていないと思う「創造」だ。主に、というだけで、他のジャンルでも参考になることはあると思うので、そちらも読んでみてほしい。

 

〇「時間」とは

 

 1つ目の「時間」を先に説明しよう。ここでいう「時間」とは、

「キャラクターの成長、キャラクター同士の関係の進展の時間」

である。これが足りないと私は考える。

f:id:ReotoAoki:20200616194421p:plain

 

〇何が足りないのか

 

 具体的に何が足りないのか、解説しよう。心当たりがある人が多くいるのではないだろうか。

 

・(主人公から見た)世界の異変への理解にかかる時間

・覆った常識に対する順応にかかる時間

・元の世界や今まで過ごしてきた人に対する未練を断つまでの時間

・ヒロインが主人公に対して好意を抱くまでの時間

・過去の出来事に対して切り替えたり、乗り越えたりするまでの時間

 

などである。最初のほうは異世界系を参考にしたが、異世界でなくても、例えば「日常ではあまり考えられないような事件に巻き込まれる」ようなことがあれば容易に起こりうることである。世界という言葉を、日常と言い換えればわかりやすいだろう。

 さて、これらの「時間」、あなたの小説やあなたが読んできた小説はどのくらいだっただろうか。私は、そのほとんどがかなり短めだと思った。ネット小説には、ストーリー(結果)を重視する傾向がある。それが求められているのかもしれないが、そのせいで過程をあまり書かず、「こうなったけど、こうなった」というような短絡的な文章がよく見られる。

 

〇物事に対してかかる時間は非常に長い

 

 一番最初にも書いたが、人間とは非常にもろい存在である。例えば、長い間鍛えて格闘技で負けなしの選手だとしても、それよりも圧倒的に強い存在(象やカバなど)に襲い掛かられたら怖くなって逃げる。大切な人が大けがをしたり病気になったり、増してや亡くなったりすれば、大いに悲しむだろう。それは、人間の本能であり、心だ。いや、生物として一番大切なことかもしれない。

 そして、ここが大切なところなのだが、「そのような状況から立ち直るのは、容易なことではない」。想像してみてほしい。あなたが絶対に勝てない相手が、襲い掛かってきたらどうするか。死に物狂いで逃げ出すのではないだろうか。それか、怖くて動けないかもしれない。そして、もしそのあと助かったとしても、それはトラウマとなり、長い間心の傷が残り続けるだろう。もしくは、小さいころ、小動物や昆虫などを飼っていて、それが亡くなった経験はないだろうか。思い当たる人は、その時の記憶はかなり衝撃的なものであると思う。なぜなら、今になってもその記憶がちゃんと思い出せるからだ。生き物の死というのは、大きい小さいにかかわらず、簡単に克服できるものではない。それが、もっと大切な人だったら?その悲しみは計り知れないものになるであろう。

 それから、あなたは「嫌いだった人を認められるようになった」という経験はあるだろうか。それには、かなり長い時間がかかったのではないだろうか。人間に限らず、生物には先入観というものがあり、それは好き嫌いに大きく影響している。そしてそれは、一度思ってしまうとなかなか払拭できないものだ。良いところを見つけたとしても、それで一気に良い人だと思えるかと言えばそうではない。時間をかけてかかわっていく中で、実は良い人だったと思いなおすのである。これは、恋愛関係にも言えることだと思う(私はそういう経験がないので想像でしかないが)。日本は、一夫一婦制であるため、基本的に生涯パートナーは1人である。だから、「恋人関係になる」というのはかなり慎重さが求められるものだ。だから、そこに至るまで、それから結婚に至るまでは、長い時間が必要なはず……である。まあ、それを深く考えないから、離婚が多いような気もするが。

 

〇小説でも、時間をかけて少しずつ気持ちを変えていこう

 

 物事には長い時間がかかるということが、わかっていただけただろうか。それを思い出したのなら、自分の小説を見返してみてほしい。「このヒロイン、主人公を好きになるの早すぎる」とか、「主人公、異世界に来てから1回もホームシックになってないなあ」とか、色々気づくことがあるのではないだろうか。それに気づくことができれば、この記事の目標は、なされたも同然である。

 気持ちが変わるのには多くの時間がかかるし、周りの人の助けも必要だ。それを描写することで、主人公が成長したり、周りのキャラクターとの関係が深まったりするのである。ただただ爽快なだけではなく、「不器用ながらも周りの人と力を合わせて困難に立ち向かう主人公」を描くというのも、大切なことなのではないだろうか。

 

 

 Part1「時間」については、これにて終了だ。人の気持ちを上手く描写するのは難しく大変なことであると思うが、それを放棄しては、なにも成長しない。チャレンジすることによって、読者が意見をくれることがあるかもしれないし、新たな発見もあるだろう。

 Part2「創造」では、固定観念にとらわれない、キャラクターの性格や魔物のデザインについて書くつもりだ。特に後者についてたくさん書いていくつもりなので、自分の作品にはどういう魔物(モンスターなど)がいたかな、とチェックしつつ、ご覧いただきたいと思う。

 

 

 この大変な時期は、いつまで続くのだろうか。ウイルスが収束したとしても、人々の生活がすぐに元に戻ることはない。こんな時だからこそ、インターネットの力でコミュニケーションを行、非常に重要であると思う。