オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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新・「なろう系異世界小説」で「ステータス」を設定するのは損ではないかpart3

 自称アニメ・ラノベ評論家、オレオだ。皆さんは普段、何かを紙に書くときに何を使っているだろうか。シャープペンシル? ボールペン? 鉛筆? それぞれ良さがあると思うが、私はここ2年間、鉛筆を使っている。シンプルな構造ゆえの細さと、柔らかい芯が私には合っているようだ。こんなことも、小説を書くうえでネタになるだろうか。せっかくなので、今度それに関する記事も書いてみようかと考えている。

 

 

 ついに3つ目に突入した「ステータス」の話。今更だが、そもそも今から書こうとしている人たちは、ステータスを書こうと思っているのだろうか。私のステータスについての知識は、現在アニメ化や漫画化されているものから来ているもののため、もしかしたらアップデートする必要があるのかもしれない。

 まあそんなこと言っていても仕方ないので、また前回のノリで書いていこう。

 

〇損だと思う理由③「読者が、実践前にキャラクターの成長を把握できてしまう」

 

 「よっしゃ! レベルアップ! 攻撃力(腕力? 脚力? それって防御力や素早さも上がるのでは?)が5上がったぜ!」

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 なろう系ではもはや見慣れた光景となったこのような言葉。強敵を打ち破り、自らの成長を数値として実感できるというのは、ステータスの強みの1つだろう。

 誰しも、「こんなことをやって上手くいくのか。成長できているのか」というのは、実践しないと感じづらいものである。しかし、ステータスがあれば着実に自分は強くなっているのだということを把握できる。

 それは大きな自信になるし、モチベーションを保つことに多大な貢献をしているといえるだろう。ステータスは、精神安定剤としても万能に働いてくれるのだ。

 

 さて、今回話したいのは、その「ステータスが上昇する」ことが読者にもわかってしまうのは問題ではないか、ということである。

 「異世界ファンタジー」において、ほとんどの作品は戦闘描写は大きな見どころである。主人公の新たな一面が見られたり、他キャラクターとの関係が進展したりするし、キャラクターの背景をしっかり描いている作品なら、敵キャラクターにファンが付くことも珍しくない。それに、「主人公の今までの努力や経験が、1番発揮されるところ」なのだ。

 戦闘シーンとは、そこまで積み重ねてきたことを発表する場であり、試験場なのである。そして、試験官は敵キャラクターであるのだが、「読者も、主人公を書く作者にとっての試験官」であると私は思っている。

 作者は、戦闘シーンで、いかに主人公の成長や新たに会得した考え方や技を、魅力的に見せることができるかが試されるのだ。

 そんなとき、もし主人公や敵のステータスがあらかじめ見えていたら? 結果が分かり切ったものになっていたら? これでは、どんなに迫力のある、ギリギリのバトルを描いても、読者は全く感動してくれなくなってしまうだろう。

 この理由により、私はステータスは「読者の感動を薄める要素」だと思っている。これを逆手にとって効果的に使える人も中にはいるが、それにはそれ専用の手法があるはずだし、それを簡単に会得できるとは、私には思えない。少なくとも慣れるまでは、数字に頼らず、言葉で状況を説明する力を身に着けるべきだと思うのである。

 

 

 今回はこれで終わるが、まだまだ書きたいことがあるので、もうしばらくお付き合いいただきたい。私なりに、これはちゃんと全部書いてまとめておきたいのだ。

 そのかわり、このくらいなら短時間で書けることが分かったので、あまり日を開けることなく投稿するから、また次回も見に来てほしい。

 

 

 こんなに「ステータス」を否定してはいるが、「ステータスを書くという手法」は残ってほしいと思っている。先ほども言ったように、ステータスを書くことで笑いを取っている作品(「この素晴らしい世界に祝福を!」など)も複数存在するのもまた事実だ。

 ただ、だからといって、それにすべて頼っていてはいけないと思うのだ。小説は、言葉で伝え、読者が想像することで完成する世界。だから、数値という完成されたものではなく、あえて抽象的なものを使うことも、小説の魅力であると、私は考えている。