オレオのアニメ・ラノベ・ネット小説評論とか

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「効果音や息遣いのイメージ」を払拭せよ

 自称アニメ・ラノベ評論家。オレオだ。このブログを始めてからかなりの時間が経ち、それにともなって、私のことが少しずつ認知されてきたと思う。そこで、せっかくだから初めの方の記事を、今の気持ちで、今の書き方で書いてみたくなった。次回あたりに書く予定なので、もしももう一度書いてほしいものがあれば、言って欲しい。

 

 

 今回は、

「効果音や息遣いなどの音を、イメージだけで書いてないか?」

ということを考えてほしい。

 小説や漫画など、音がない媒体において、オノマトペ(擬音とかオノマトペとか色々調べたが、これで使い方があっているのかは少々疑問である。今回は、「声として表現できない音や感触を文字にしたもの」として使う)は必須である。

 例えば、包丁でものを切ってまな板をたたけば「トントン」というように聞こえる。これを使うことで、想像の世界のよりたくさんの感触を伝えることができる。

 さらに、雨が降ったら、水滴が地面に当たる音を「ポツポツ」と表現することがあるが、もっと大降りになってくると「ザーザー」と書くことができる。このように、言葉を変えることで、出来事の程度をより正確に伝えることも、オノマトペの役割である。

 さて、そんなオノマトペであるが、ネット小説において、

「これはほかの作品からそのまま持ってきて書いているんだろうな」

と感じるものがいくつかあったので、それについて書いていこう。

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〇体験できない音や感触の存在

 

 ネット小説を書いている人たちは、オノマトペは基本的に、自分で開発することはないと思う。しかし、それでもある程度自らの体験に基づいて書いているはずだ。実際に聞いた音や感触とは明らかに違うのに、その表現を使うとは考えにくい。だから、基本的に同じように音が聞こえているであろう私たちは、「他の人が書いたオノマトペ」をだいたい理解できるのである。

 だが、共通認識が得にくいものも中には存在する。それは、

「ある特殊なシチュエーションでしか体験できない音や感触」

である場合だ。特にネット小説には、「ファンタジー」ジャンルの作品が数多く存在するため、我々人間が普段体験できない音や感触を表現しなければいけないシーンがよくでてくるのである。

 

〇解決法

 

 だが、体験できないことも、それっぽい表現をすることは可能だ。

 例えば怪獣の鳴き声だったら、その形状に似ている動物の鳴き声を参考にしてみると、本当にそう鳴いていそうだと思わせることができる。大型の猛獣ならライオンやトラの声をもっと低く、大きくしてみるとよい。発声器官が似ているのであれば、たぶんそんな声になるのではないか、と思うだろう。

 攻撃魔法ならもっと簡単だ。それによって起きる現象は、ほとんど地球でも起こりうるものであるからである。爆発や、何かが風を切るような音は、テレビを見てみれば結構聞くことができる。

 これらは、あなたもやったことがあるだろう。シチュエーションを提示されれば、無意識に文字が思い浮かぶはずだ。

 

〇参考にできる材料がない場合が問題

 

 体験できないオノマトペを表現する方法は確かにあり、それをみんな受け入れることができている。だが、今回考えてもらいたいのは、その「何かを参考にすること」すらも困難な場合である。

 特に多いのは、「戦闘シーン」。ファンタジー世界では、主人公とその世界の生物との戦闘がよく起きる。時には、人間同士でも戦う。さて、それを表現するためには、様々な音や感触を文字にする必要があるが、あなたはどのような言葉が思い浮かぶだろうか。

私が思いついたものをいくつか書こう。

 

・「キンッ」刃物同士がぶつかる。何かにはじかれる。

・「グサッ」尖ったものに刺される

・「ドンッ」「ガンッ」鈍器で殴られる

 

ありきたりなものであるが、こんなオノマトペが使われていることが非常に多い。

 さて、ここで、先ほどの文を振り返ってみる。すると、私はこれらのオノマトペの内、一番下以外は

「何の体験にも基づいていないが、何かの作品の影響でこのようなイメージとして認識している」

ということに気が付いた。あなたはどうだろうか。実際に、尖った金属同士を本気で打ち付けたり、肉を思いっきり刃物で刺すような音を聞いたことがあるだろうか。

 そう、ほとんどないのである。でも、みんなすぐにその意味が分かるし、それを違和感を持たずに受け入れている。何かで読んだというだけで、それを信じてしまっているのだ。

 特に一番気になっているのが、「かはっ」である。これはよく人が飛ばされて壁や地面に打ち付けられた時の息遣いだが、本当にそんな音が聞こえるのか、私にはわからない。

 一応、アニメで実際の音として表現されているものを参考にしているということもできるが、それも、ただの視聴者からすればイメージに過ぎない。もしかしたら、製作者側は何かを参考にしているのかもしれないが、我々からすれば、それが本当は何の音なのかがわからないのである。

 ここで一番の問題は、「ほとんどの人が体験していないにもかかわらず、イメージだけが独り歩きしていることによって、本来の音がどうなのか、誰も知ろうとしないこと」だと、私は考えている。

 もちろん、人や動物を傷つけろと言っているわけではない。それは絶対にやってはいけないことだ。

 ここで大事なのは、

「近い音を出す方法を考え、それを実際に自分でやってみること。そして、それをそのまま文字にすること」

である。例えば、肉を切るという行動は、料理をすればできることだ。思いっきりやるのは無理かもしれないが、少しは人を切る感触を味わえるかもしれない。骨がついていればなお良いかもしれないが、それは包丁が壊れてしまうので、魚でやってみるのが良いだろう。

 実際にやってみると、少なくとも「グサッ」とは聞こえないということがわかるだろう。それから、骨は固いから、もしかしたら刃物で人を切るのは大変かもしれないということまで気が付く。

 息遣いも、自分の体を使って体験することができるだろう。武道を少しでも経験すれば、どういうときにどんな呼吸になるか、わかるかもしれない。

 

 

 私は、何かを作る際に1番大切なことは「実体験」だと思っている。それがあるから架空の世界がリアルに書けるし、読者も深くそれをイメージすることができる。だから、無理のない範囲で、色々なことを経験してみるとよいと思う。それは、文字にすると非常に小さなものでも、読者の中でたくさんの解釈が生まれ、想像の中で大きくなっていくのだから。

 

 

 このブログを書き始めてから、はや4か月半。飽きっぽい私にしては、良く続いていると思う。やっと夢中になれるものが見つかったと、自分のことながら安心している。これも、ネットでからんでくれる皆さんのおかげだ。これからも、私の考えを伝えていけるよう、続けていく所存である。